#04
残業過多の日々から転職を決意。訪問看護で利用する方ひとりひとりと向き合える看護スタイルに
PROFILE
Oさん 30代 看護師 臨床経験8年
転職を考えたきっかけは?
多忙な総合病院の外科病棟勤務自分も大事にできる職場への想いが募る
卒業後、2カ所の総合病院の病棟勤務を経て転職を決意したOさん。
「直近の職場は、病床数500の総合病院の外科病棟。
日勤、夜勤と本当に忙しく、日勤なのに終わると夜8時なんてこともざらで毎日ヘトヘト。
休みの日に出かけていても、翌日の仕事の事を考えると憂鬱な気持ちになり、精神的にもきつくなってきました。
もう少し自分のことを大事にできる職場に転職にしたい…と強く思うようになり、職場を変える決心をしました」
転職活動はどのようにしましたか?
友人が利用した転職サイトの担当者と自身のやりたいことを固めていった
転職の意志が固まり、具体的に動きだしたのは今から1年半前。
「当時の職場は、別の転職サイトを利用して決めました。
だから、だいたいの流れは知っていました。やりたい事と条件を提示して、それに合う求人を紹介してくれるものかなと。」
そんな時に、職場の後輩が、ある転職サイトを使って転職を決めた事を耳にします。
「彼女に紹介してもらったのが『ナースコンシェルジュ』。担当者につないでもらいました。」
その会社は、自分がイメージしたものは違うもの。
「自分が目指す方向が定まっていなくても、じっくり話を聞いて、やりたい事や、大事にしていることを見出してくれるような進め方です。
当時の私は、辞めたいとは思ってはいたものの、何をしたいかの将来像が見えていなかった。
話を聞いてもらいながら、それを見つけていけるスタイルは、今の自分に合っている印象を受けました。」
メールや電話でやりとりをした後、自宅の最寄り駅の側で1、2時間かけての面談。
「どういう職場で働いていたか? 自分の大事にしていることは何か?などの質問から、さまざまな紐づけをして、話を引き出してくれました」
コンサルタントとの会話から、かつて自分が大事にしていたことが思い出せたそうです。
「患者さんに対して、簡単な会話のみで、やるべきことをやればいいというスタイルではなく、コミュニケーションをしっかり取りながらの看護がしたかったんです。」
その他の条件は?
「夜勤はなく、ワークライフバランスが保てる程度の残業。そのため、病院の規模は大きくなくていい。そして、訪問看護にも興味が…。そんなことを伝えました。
担当コンサルタントは、外来やクリニック、訪問看護など4、5件の求人を探してくれました。どこも私にあったところばかり。
絞り込む段階では、決断を急かしたりすることなく、私の判断を待ってくれます。
そして、私から迷って相談した時だけ答えてくれる対応に、とても誠意を感じました。
最終的には、クリニックは拘束時間が長いことから除外し、訪問看護に絞る形になりました。」
転職先の決め手は何ですか?
理想の看護スタイルが叶う訪問看護施設は明るく風通しの良い職場環境も決め手に
訪問看護に絞り、2件の面接を経て、今の職場に決定したOさん。
「人事部の次長と訪問看護部長との面接です。最初から好印象を持ち、ここでがんばりたい!と自然に思えました。」
年齢が若く、総合病院の病棟勤務からの転職のため、訪問看護部長からはこんな質問も。
「病棟と訪問看護では働く場も、働き方も違う。ここで頑張るという覚悟であるか?
病棟は医療行為が多いけれど、訪問介護はそれも少なく技術向上が見込みにくい場。
その点をどう考えるか? などと聞かれました。
やりたいことではなかった、と辞める人が多かった背景があるそうです。」
面接は本部で。実際の職場となる事業所を見ずに決めるは良くないと思い、担当コンサルタントに見学を依頼しました。
「所長と面談しました。事業所を訪れた瞬間に、みなさんが挨拶をしてくれて、明るく風通しの良い職場と感じたので、決めました。」
今の職場と仕事は?
医療技術の向上や経験を活かせる場も利用者からの「待ってたよ!」の声が励みに
神奈川県の訪問介護施設への入職を決めたOさん。
「仕事は、日勤でオンコール体制。土日休みで、祝日は訪問の調整がつけば休めます。
実際に働きはじめての職場環境はどうでしょう?
「入職当時は、私が一番年下。久しぶりに先輩しかいない環境には安心感を覚えました。
新しい分野だったので、新人のような気持ちに戻れました(笑。
職場は看護師10名と、リハビリスタッフ約10名の体制。年代は40代以上が多いものの、20代2名、30代5名と若手も活躍しています。
「1日多くて5件を、ひとりで車で巡回しています。
現場で困った時には、緊急時は所長に電話し、緊急性が低い場合はメールと、臨機黄変に相談できるのが心強いです。
理想の看護はできていますか?
「自分が大事にしたかったスタイル。利用者の方とコミュニケーションを取りながら、相手のニーズにこたえることが実現しています。ナースコールで中断されないので、深く関われます。
担当制で、週に1回、多い方で2,3回うかがいます。
お互いにとって、なくてはならない存在という感じがして、私には合っています。」
利用する方は、慢性疾患の高齢者が主ですが、コロナの影響で、癌のターミナル末期の患者さんもいらっしゃるそうです。
「病院への入院は面会ができない理由から、在宅で療養を続け、最期はご自宅でと、考える方が増えています。」
職場での意外な発見もありました。
「医療技術の向上はあまりないと言われましたが、実はそうでもないんです。
当初は、点滴や採血がほとんどなく、自分の医療技術もここまでかなと少し寂しさを感じていました。
ところが、探してみると意外に医療行為ってあるんです。
今までやってこなかった類の技術を突き詰めることができ、スキルが高まります。
例えば、摘便などは病棟ではあまりありませんでした。でも、いざやってみるとうまくできなくて。先輩や他の病棟で勤める友人から情報収集して実践。日に日に進歩しています(笑。
また、今までのキャリアを生かせる場面もあると言います。
「手術前に訪問した方のお話です。
病棟での経験から、手術後は体力が落ち合併症が起こりやすいため、入院前に体力をつけることをご提案しました。
それを受け入れてくださったら、術後の経過が良く、入院先の看護師さんに褒められた、という言葉をいただきました。
経験が活きている!という実感を持てますよね。
この仕事ならではの醍醐味もあるとか。
「Oさんで良かった、安心するとか。
自分が訪問できない時に別の担当者がうかがうことを連絡すると、Oさんじゃないなら、今週はキャンセルでもいいよとのお言葉。やっててよかった!と心から思えます。
現場にはひとりで臨みますが、みんなだったらどうするか?とか思いを巡らせながら仕事しています。それも心の支えです」。
今後の目標は何ですか?
「この秋から看護師の人数が増えたため、体制変更がありました。
所長とメンバーの間にリーダーを置くことになり、任命していただきました。」
昇進し、少し新しい視点で業務にあたることになりますが、
「でも私のスタイルで、自然体でやっていきたいと思います。」
と顔を輝かせて語るOさん。やりがいも目標も得られた転職とお見受けします。
これから転職を検討する方へのアドバイス
まずは自分が大事にしていることを思い起こし、整理してみてください
「日々忙しく働いていると、それに流されて、したかったことや、大事にしたいことを忘れてしまいます。
転職を考える際には、まずは自分が大事にしていることを思い起こしてみてください。
時間がかかっても、そこは大事なところなので。
そのうえで、やりたいことと、やりたくないことを整理してみる。
もちろん、給与面も大事です。
どのぐらいの金額がほしいのか?またはこの額以上は年収を落としたくないとか。
そして、自分がやりたいことは希望する年収で実現するのか?と考えてみると良いと思います。
やりがいだけじゃ続きませんよね。その時はよくても、後々しんどくなったりしますから。
転職エージェントは、さまざまなところがあり、
提示した条件の就職先を紹介し、決まれば付き合いが終わるとこもあります。
それにマッチする人はそれでもいいのですが…。
自分の志向にあったエージェントかどうかは、ネットの情報だけでは拾いにくいもの。
利用者のクチコミのチェックや、転職経験のある友人や知人に、ここどう?て聞いてみることも大事だと実感しました。
Oさんの当初の転職希望先は病院でしたが、お話を伺ううちに、訪問看護に興味をお持ちであることがわかりました。
未経験の方をご案内する場合は、施設側に、業務内容や教育体制などを細かくヒアリングした上で、未経験でも受け入れてもらいやすく、かつ、他の希望条件が満たされている求人をご案内するように心がけています。また職場の雰囲気だけでなく待遇面はやはり大事です。規模の違う施設を複数ご案内し、福利厚生面なども含めて比較していただくことで、満足いく転職をご支援させていただいています。