#09
ステップアップを目指し、地元を離れての転職希望がかないNSTメンバーとして資格を活かし奮闘中
PROFILE
KSさん 34歳 臨床経験11年
転職を考えたきっかけ
NST資格取得の目標を達成し、ステップアップを目指し環境を変えたい
学校卒業後に地方都市の都心部の病院に就職したKSさん。
「入職してから6年脳外科病棟です。
忙しいけれど、学ぶ事が多くて、チームで患者さんを回復させていこうというムードが性にあっていました」
その後、オペ室、外科病棟へと異動して経験を積み9年が過ぎます。
「長くいて中堅になると、慣れてくる分仕事は楽になりますが、同時にマンネリ感も感じるようになりました。
脳外にいるころ、5年かけてNSTの資格を取ろうと計画して、その目標が達成すると、次は何をしたらいいんだろうと…。
このまま上を目指す選択肢もありましたが、今はもう少し、技術を上げたいという気持ちが強かったんです。」
そんな矢先、入職当時から共に目標を掲げて志を同じくした同僚たちが、次々と異動や退職。周囲とKSさんの仕事に対する姿勢の違いに、居心地の悪さを感じようになりました。
「人が変われば職場のムードも変わります。時間内に決められたことを終わらせたいという考えの人が多くなりました。
前々から生まれ故郷から一度外に出たいとは考えていたんです。でも、研修でちょこちょこ県外に出る機会もあり、それで満足していました。ところが、今回は本格的に、外の世界に出る時だ!と強く考えるようになりました。」
県内の別の病院という選択はなかったのでしょうか?
「新卒で就職する時に、私としてはこの病院が一番の病院。だから県内での選択肢はなかったです」
故郷からは遠く離れた東京の地を選んだKSさん
「やっぱり知らないエリアは怖いから。知り合いが多く、訪れた回数が多いエリアにしようと。結果が東京でした(笑)」
具体的な転職活動は?
長く勤める職場を探すために派遣勤務をしながら病院の情報収集
「地元を出てくるときに、最低3年、長くて5年なんて宣言しました。新しい環境で、何かを得るまでにはそれなりの期間が必要ですから。」
とはいえ、旅行で数度訪れていたといえども、いざ生活するとなると不安もつきもの。まずは新しい地に慣れることを優先しました。
「何事にも綿密に調べてから事を運ぶ性格ですが、東京の病院情報はゼロに等しい状態。そのため、派遣勤務をしながら、常勤で腰を据える病院の情報収集をすることにしました。」
決めたら行動が早いというKSさん。一カ月後には計画を実行しはじめました。
「勤務していた病院には派遣の方が大勢いました。その方たちの大多数が利用した派遣会社を紹介してもらい、5カ月後には東京で働き始めました。」
派遣勤務で2つの病院を経験しました。
「2件目の派遣先は1件目とは別の転職サイトを使いました。担当者の対応がよかったので、常勤先もお願いしようかと思っていたのです。ところが、契約更新タイミングで病院側と食い違いがあったんです。
担当者に問い合わせたところ、曖昧にされたまま。更新手続きの期限が迫ってきたので、お断りしました。
急いで次を探そうと焦っていたところ、派遣仲間から、『ナースコンシェルジュ』の担当を紹介してもらいました。」
今までとは異なるタイプの男性担当者は、思いのほか話しやすかったとか。
「そもそも、これまでは電話とメールのやりとりのみで、面談自体が新鮮でした。対面だと、やり取りの中で気になったことをすぐに聞けるし、メールの文をまとめようとすると時間がかかる細かな要望や、迷っていることも伝えやすいです。
新しい担当者は、話したことを全部受け入れ、諸々を踏まえた転職先を探してくれました。」
ステップアップを希望するKSさんの条件は、これまでに経験してきた急性期の脳外科か外科病棟で、今まで経験がないことにチャレンジできることでした。
「急性期で、患者さんから難しい状況から回復していくプロセスを一緒に歩めることに、やりがいを感じます。そんなことから、リハビリに注力している病院は学びが多く、興味がありました。」
そうして出てきた候補は5つ。その中から、自分が携わりたい科が揃った3つに絞ります。
「求人情報をもらった病院は、HPやクチコミなどまで、かなり綿密に調べました。給与面や通勤のしやすさだけでなく、立地なども。地の利がないので、知り合いから街の特徴や、そこに来院する患者さんの傾向なども教えてもらいました。」
現在の職場の決め手は?
変革期の病院への将来的な期待と未経験分野での学びの機会が魅力だった
絞り込んだ2つを面接した結果、千葉県の病院に決めたKSさん。決め手は変革期にある病院であることと、未経験分野に携われること。
「循環器に強い病院でしたが、消化器センターが新設されます。このタイミングで外から看護部長を招くことになりました。
従来、この病院は異動がなく、同じ部署で10年も師長を務める人がいるほど。過去から脈々と続いたやり方を変えようという病院側の意思が見えました。」
そして上司となる看護部長にも縁を感じたといいます。
「実は、上京した初年度にも常勤の面接をしました。残念ながらご縁はなかったのですが、その時の面接担当が、今回の病院に招かれた部長でした。また、今までの病院にはなかったロボット技術などの最新医療が導入されていることも魅力に感じました。」
実は自身で調べた情報では、労働環境ではあまりよい評価はなかったものの、担当コンサルタントから、病院の変革期であることを聞いていました。組織的には大変なことが多そうですが、好きな分野がそろった環境を優先しました。得るものが大きいと感じたそうです。
面接にあたり、担当コンサルタントが同行してくれたことや、住まいを決める際に細々としたエリア情報を教えてくれたことが、知らないエリアでの転職にはとても心強かったとも話します。
現在の職場と仕事は?
希望だったNSTメンバーに。ゼロから基盤づくりに取り組む日々
自分が頑張りたいと思える環境に身を置くことにしたKSさん。現在は、期中に活動開始予定のNSTの立ち上げチームに加わり、日々奮闘しています。
「やりたかったことに関われます。資格を持っていて本当によかったです。
ただ、基盤が整った恵まれた環境にしか身を置いたことがなかったので、ゼロからの立ち上げは正直難しいこともたくさん。日々試行錯誤の連続で、いい意味での大変さを経験しています(笑)」
共に働くメンバーは30人ほど。20代前半の新人から30代が主流で、30代前半のKSさんは、上から数えたほうが早いぐらいの若い組織です。
「新設の部署な上に、従来の手法にこだわらない組織づくりへの変革を求められています。さまざまな部署から異動してきた人で構成されているため、経験してきたやり方は皆まちまち。スタッフのとまどいも隠せません。
過去を知らずに、外から来た身としては、客観的な気づきもあり、その視点は組織の中で役立てられるかもしれませんね。
わからないことがまだ多数あります。早くキャッチアップして、立ち上げを成功させることが目下の目標です!」
転職を検討する人へのアドバイス
条件を固めることや、求人情報は自分でも調べることが満足度につながる
「転職の最初の一歩は、希望条件を固めることです。いろいろな求人を紹介されても、希望条件さえしっかりしていれば、ブレることなく取捨選択できます。
また、紹介された職場に関しては、もらった情報だけで検討するのではなく、自分でも情報収集することをおススメします。病院のホームページやクチコミなどを通して、実際に働いた場合がイメージできると思います。病院見学だけではわからないこともあるので。
あと、希望条件を叶えるためには、転職エージェント選びは大事です。言いたいことが言えるか? 話を聞いてくれるか? 信頼できるか?
給与やシフトの条件だけで探せるなら、サイトだけでもいいと思います。
でも、項目に落としにくい条件がある場合は、うまく汲み取ってくれる担当者だと、ズレが生じにくいと思います。」
転職する際に、進むべき方向で迷いが生じる事は多々あると思います。そんな時は、思っていることを、コンサルタントに全部伝えてみてください。口にすることで自身の考えがまとまることも少なくないからです。また、一緒に方向性を考えることもできます。
KSさんのように、遠隔地からの引っ越しを伴う転職の場合、仕事面だけでなく生活面の不安もつきものです。勤務先の周辺情報のご提供や、引っ越し先のご相談をお受けすることも可能です。