#19
看護師として納得いく仕事ができる、環境充実の大手総合病院へ転職
PROFILE
Yさん 20代 臨床経験6年
転職を考えたきっかけは?
環境の整った環境でスキルを磨くため、転職を決意
Yさんの勤務先は急性期の混合病棟。転職を経て入職した二つ目の職場です。
前職は大学病院の急性期病棟でした。
「専門性の高い治療が多く、やりがいは充分に感じられました。
けれど三年目を迎えた頃から病院運営に関わる看護以外の仕事が増えました。負担は大きかったですね。
元々、深刻な病状の方が多い病棟のため、亡くなる方も少なくありません。その現実が心に重くのしかかってきたことも転職の理由です。」
そうして、次の職場に移ったYさん。
これを機に一人暮らしを始めるため、実家へのアクセスの良い沿線の病院を選びました。
「転職先は急性期混合病棟なのですが、担当する診療科があまりに多く驚きました。手術直後の患者さんから内科、整形、婦人科や耳鼻科まで、疾患も重篤度も本当に様々です。毎日担当する患者さんも目まぐるしく変わります。
それだけ幅広い患者さんを担当すると、本来できるはずの看護や処置が手薄になっていくもどかしさを感じました。初めての転職だったので、確認不足を痛感しています。」
病棟内では多くの改善点が目についたといいます。
「師長は『気づいたことやおかしい事はなんでも言って』と言ってくれましたが、私が改善して欲しいことを伝えても同調はしてくれるものの、何も変わることはなかったですね。
一つだけ受け入れられた提案も、数日経つと元に戻ってしまいました。
そこで、決心しました。環境が変わらないなら、私は全力で患者さんと向き合おうと。」
そんな時、ある出会いがYさんの背中を押します。
「中途採用で入ってきたベテランナースの先輩方が改革を進め、今までとは全く別の病棟へ生まれ変わったんです。
その推進力を見て、私もあんな風に働きたいと思いました。でも私にまだその力がないのもわかっています。
それならもっと環境の整った病院で学んで力をつけようと、転職を決意しました。」
転職活動はどのように進めましたか?
ぼんやりしていた理想の看護師像がコンサルティングでクリアに
前回の転職では反省もあったというYさん。
今回は失敗したくないという思いもあり、同僚ナースに「ここが良いよ」進められ、ナースコンシェルジュを知り登録。
「私の次の仕事への希望や条件はふわっとしていて、具体的ではありませんでしたし、理想の看護師像も明確になっていませんでした。
けれど『きちんと自分の仕事をしたい』ということだけは確かでした。そのために必要な知識や技術があったらしっかり勉強したいとも思っています。」
コンサルタントとの面談で話すうちに、理想の働き方や将来像がどんどんはっきりしてきたそうです。
「面談をしていく中で、私は認定看護師のように専門性の高い看護師になりたいわけではないけれど、幅広く必要な知識を持った求められる看護師になりたい、と気付きました。
そしてコンサルタントの方に言われたことは『実はキャリア志向ですね』と。
ゆるっと働いていきたいと思っていた私ですが、確かにそうかもしれないと納得できました。そして、理想像に見合った転職先の候補を提案してくれたんです。」
ところが、Yさんはアルバイトで勤務していたクリニックから正規職員として誘いを受け、真剣に転職を考え始めます。
「勤務は日勤だけですし、提示されたお給料も悪くありません。アルバイトで働いていたので人間関係が良好なこともわかっていますから、悩みましたね。
そこでナースコンシェルジュのコンサルタントの方に相談してみたんです。
そのクリニックでは正規職員が私だけとなります。
『診療科の知識ベースが十分ではない私が、クリニックを背負って行かなくてはならない。
また、個人クリニックの場合、「給与条件が凄く良い」ことがあるが、その分のリスクもある。現在提示されている条件が長期に渡って約束されるかはわからない。
その選択もありだが、どちらを選ぶにしても、長い目で見て慎重に考えた方が良い。』
と丁寧にアドバイスしてくれました。
そして、『今は中堅看護師として知識、技術を積み重ねる時期』だとも。
コンサルタントの方は私個人を深く理解して、アドバイスをしてくれました。
そこで、自分が成長できる環境の整った病院で働こうと決意を新にしました。
『行け!私!』と自分で自分を励まして前へ進むことにしました。」
転職先の決め手は何ですか?
面接、院内見学でイメージ一転。人を大切にする恵まれた環境が魅力
いくつかの候補の中から内定を得たのは、大手医療法人グループの病院。
希望通りの総合病院の急性期病棟です。
しかし、提案された時、Yさんは躊躇したといいます。
「看護師どうしの噂話で、そこは長く働く人が多く人間関係が難しいとか、お給料が良くないなどと聞いていて、イメージはあまり良くなかったんです。
コンサルタントの方は私に合うと思うと勧めてくださるので、面接を受けてみることにしました。
実際には、いい意味でイメージとは大違い。
面接でお会いした看護部長さん、事務長さんとはとてもいい雰囲気でお話が進みました。院長先生ともお話しできたのですが、陽気な方で、職員一人一人を大切にしている様子が伝わってきて好感が持てましたね。
面接後、院内を見せてもらって、充実した設備と環境に間違いないと感じました。大手の医療法人だけにしっかりしているなと。それがここで働きたいと思った決め手です。」
これから転職する方へアドバイス
理想の働き方を具体化してくれるエージェントが転職成功の鍵
「転職活動にあたって、職場についての希望条件はあるものの、理想の働き方や将来像がはっきり見えている人は少ないと思います。
そんな場合でも、自分のことをわかってくれて、やりたいことを代弁し、具体化してくれるエージェントを見つけて欲しいと思います。
なんとなく転職活動を続けていると、後悔することにもなりかねません。
私は将来どうなりたいか、ぼんやりしたまま転職活動を始めました。
けれど、ナースコンシェルジュのコンサルティングを受ける中で、理想像が具体的になり、目指す方向が定まっていきました。
それから、病院のいろんな噂を耳にすることがあるかもしれませんが、先入観に左右されずに自分の目で見ることがとても大切だと身をもって知りました。
実際、私も面接や病院見学をさせてもらえたからこそ、この病院のいいところを発見することができました。
この法人グループの病院で働いた経験がある友人にも相談し、『多忙な職場ではあるがそれを前向きに考えられるなら良いと思う。グループ内の病院での人事異動が盛んで、人間関係は風通しがいい』と現場の声を聞くこともできました。
噂や評判に惑わされず、正しい情報を集め、判断してほしいと思います。」
Yさんは当初、好条件を提示された個人経営クリニックの正規職員としての転職を真剣に検討していらっしゃいました。
個人クリニックで多いのですが、相場を超えた好条件が出ている場合があります。しかし、給与、休日、勤務時間など条件全体の本質を見ていくと、それなりの理由があります。その理由がご自身にとって前向きに捉えられるものであれば、その選択も良いと思いますが、十分慎重に考えることをお勧めします。
特に若手の方には、自分の働き方に対する価値観と、その職場で働くことの意味を冷静に見極め、しっかり考えることが必要です。
Yさんの場合、今は中堅ナースとしてスキルを積んでいくべき時期と考え、クリニックでの就職を見送り、大規模病院でのスキルアップの道を選択されました。
また、Yさんも体験されたことですが、候補の病院に対して噂やイメージなど先入観は多かれ少なかれあると思います。
ところが実際に足を運んでみると、「行ってみてがっかり」もあれば「行ってみると良い発見があった」となるケースは意外に多いものです。
「百聞は一見に如かず」。
積極的に現場を見て、人と会うことがご自身の就職の意志固めに繋がることは多いです。
後悔しない転職のためには、先入観に必要以上にとらわれず、フラットな視点で考えていくことをお勧めします。