#31
自信喪失からの大逆転! やっと見つけた、私が楽しく働ける場所
PROFILE
Bさん 40代 臨床経験 20年超
転職の理由は?
多忙な救命センターから療養へ。ギャップの大きさに心身が悲鳴をあげる
三次救急の救命センターで多忙を極める毎日を送っていたBさん。
前職の介護施設から、「やっぱり臨床の現場へ戻りたい」と決心して選んだ職場でした。
「毎日、とにかくハードでした。ひっきりなしに救急の患者さんが運ばれてきます。その地域は他に三次救急を受け入れる病院がなかったので特に忙しかったのだと思います。」
しばらくすると、想像を超える激務に体も心も限界に達してしまいます。
「オープンまもない職場で、多様な経歴を持つスタッフが集まっていました。
ハードな救急の現場ですから、当たりが強い人もいます。キツい言葉が飛び交う場面などもあって、精神的に大変なこともありましたね。
さらに自宅から毎日1時間以上の自動車通勤も負担でした。
そんな時、病気が見つかり、手術をしなくてはならなかったんです。回復に時間がかかることもあり、それを機に退職を決めました。」
退職後、体と心を回復させるためにしばらくお休みをとっていたBさん。
「ゆっくり休んで、体も回復しましたし、気力も戻ってきたと感じました。そこで転職活動をスタートしました。」
転職先として選んだのは療養型の病院です。
「前職があまりに多忙だったため、じっくりと看護に向き合いたいと思いました。
ところが、勤務を初めてみると前職とのギャップが大きすぎて戸惑うことばかり。
療養は、高齢の患者さんが多いので、毎日決まった処置をすることが多かったんです。
その時は、同じことの繰り返しのように思えてしまいました。
仕事のペースも違いますし、自分にここは合わないと思うようになりました。
師長始め、周囲の人たちは心配してくれましたし、温かく接してくれました。
でも、私は、毎日、仕事が楽しくなかったんです。」
そのうちに発熱や喘息など、体調が思わしくない日が続くようになりました。
「私にとって、元気に楽しく頑張れることは仕事をする上で何よりも大切にしていることなんです。けれど、体も悲鳴をあげ始め、限界を感じて退職することにしました。」
転職活動はどのように進めましたか?
失意のどん底から復活。信頼できるコンサルタントがサポート。
「楽しく頑張れる仕事がしたい。」
ただ、その思いを実現したかっただけなのに、不本意な退職を重ねてしまったBさんはとても落ち込んだといいます。
「これから先、一体どうしたらいいのかな、と途方に暮れました。
看護師をやめるつもりはありませんでした。でも、このままじゃダメだ、なんとかしなくちゃ、とずっと考えていました」
しばらく休んで体調の回復を待っていたBさん。具体的な転職のことはまだ考えられませんでした。
しかし、以前から転職を相談していたナースコンシェルジュのコンサルタントとは連絡をとっていたそうです。
「このコンサルタントの方には以前から転職の相談をしていて、とても親身になってくれました。私のことを理解してくれると感じました。
初めて面談した時、私の経歴を始め、看護師を目指したきっかけや、大事にしている看護観など、 細かくお話しをしました。これは事情聴取かなっていうくらい(笑)。
話しているうちに今まで自分が何を大切に仕事をしてきたかが整理されて、これからやっていきたいことがハッキリしていくのが感じられたんです。
他のエージェントでは、担当コンサルタントと会うこともなく、電話だけで転職の紹介をされました。それが普通だと思っていましたから、丁寧なことに驚きましたね。」
次の仕事探しもナースコンシェルジュのコンサルタントに相談することは決めていたものの、転職活動に前向きに取り組めるようになるまで時間がかかったそうです。
「体調が回復するまでの間、コンサルタントの方は時々、連絡をくれました。
それも、「どうしていますか?」と、近況伺いのような感じです。転職については触れることなく、急かすこともなかったですね。
コンサルタントの方は私が前向きになれるまでずっと待っていてくれました。
そして、ようやく、元気を取り戻して仕事について考えられるようになったんです。」
次の仕事は先入観を取り払い、広い視野で探そうと決めたというBさん。
「コンサルタントの方と話し合いながら、方向性を決めていきました。
今までを振り返ってみて、介護の仕事は楽しかった、と気づいたんです。また、急性期はやり切ったな、とも。
私は今まで広くいろんな診療科で仕事をしてきました。このキャリアで得た知識と技術は介護の現場で必ず役に立つと思いました。
そして、介護を中心に探してみようと思い、コンサルタントの方からいくつか候補を挙げてもらいました。
面接にはコンサルタントの方も同席してくれましたし、事前にアドバイスもいただいて心強かったですね。」
現在の職場とやりがいについて。
多職種が連携する看護がやりがい。介護の現場で新しい知識を獲得中。
Bさんは見事、有料老人ホームからの内定を獲得しました。
介護の現場での仕事はいかがですか?
「老人ホームでの仕事は、看護師とケアマネージャーさん、ケアスタッフさんなど、異なる職種のスタッフが連携して進めます。
例えば、ケアスタッフさんから入居者さんの体調について連絡があったら、居室まで見に行き、全身の状態、水分は取れているか、食事は食べられるかなど、状態をみて処置をします。
ホームには常駐のドクターはいません。
入居者さんをしっかり見て、病院の受診が必要なケースか、看護師が対処できるケースなのかを見極めることが重要です。
今まで積み重ねてきたことが役に立っていると実感できます。
老人ホームでは、医療の専門職は看護師だけですから、ケアマネさんなど他の職種の方に頼られたり、相談されたりすることも多く、やりがいを感じますね。
入居者さんとお話をすることも多いです。ここは治療の場ではなく、家ですから、リラックスしていただけるよう、私も楽しみながら会話しています。
入居者さんのご家族と深く関わることも多く、これも病院勤務ではなかったこと。
病状の説明をする時などは、わかりやすい言葉を使い、理解していただけるよう心がけています。」
臨床から離れ、新しい技術に触れる機会が減る心配はありませんでしたか?
「むしろ逆です。
介護の分野での新しい知識や技術が得られることが楽しみでした。
確かに、最新の機械や技術に触れる機会は少ないかもしれませんが、それも自分で勉強すれば追いつけますから。心配はしていません。
今は、介護という新たな場所で、楽しく、やりがいを持って働いています。」
これから転職する方へアドバイス
苦しかったら一歩踏み出して。転職は新しい知識や技術を得るチャンス。
転職したいと思った時には、楽しかったことや充実していた時のことを思い出してほしいと思います。
一人一人、状況は違っても必ず思い出せることがあると思います。
もう一度、その時のようにやりがいのある毎日を過ごしたいと思うなら、少し頑張ってみてもいいんじゃないかな、と思います。
けれど、つらくて、苦しいだけの毎日なら、しがみつかなくてもいいと思います。
嫌なことを引きずらずに、一歩踏み出して、新しい世界へ進んでほしいです。
楽しく働けること。それが私には何より重要ですし、そこを基準に仕事を決めてきました。
楽しく働くことができなければ、やりがいもないと思うからです。
私は、転職はキャリアアップのためでなく、新しい知識や技術を得るための手段だと思っています。そして獲得した知識や技術は貴重な財産になります。
私にとって介護の経験は、新しい知識=財産になりました。
財産を増やすという意味で、転職を後ろめたく思わなくてもいいと思います。
「病棟、急性期領域で勤務するのが看護師の本道」という観念が以前は強くあり、今でも少なからずあるかと思います。
しかし、時代も変わり看護師が求められる・活躍できる領域は広がっています。
高齢者施設や訪問看護などを始めとした生活支援・介護領域が伸びています。
また、従来型の病院・クリニックのほかに、免疫治療・美容など自由診療型のクリニック、VIP対応中心でハイレベルな接遇を求められる会員制クリニック、早期発見・未病段階に力点を置く人間ドック・健診センター、企業内保健室、保育園、治験、コールセンターなど、病棟以外の選択肢は増えています。
多くの看護師さんのキャリアコンサルティングを通じ、転身された方々を近くで見てきて、実に様々なケースがあると感じています。
一人ひとり強味が違い、個性もある。
また自身のライフスタイルの変化によりマッチした働き方、領域が変わります。
古い観念にとらわれず、幅広い視野でご自身の働き方を見つめなおす機会を持つことは大切です。かつては急性期ありきで考えていたBさんも、キャリアチェンジを重ね、良い出会いがあり、現在では介護の現場で活躍されています。
あなたが今は気づいていない所に居る方々が、あなたを必要として待っていると思います。
あなたご自身がいきいき活躍できてこそ、良い看護、良いケアができる。
多くの先輩たちが教えてくれたことですね。
今後の看護師としてのあり方について、もしあなたが、悩んでいる、立ち止まっているのなら、このお話も参考にしてみてください。
そして、貴方自身がいきいき活躍できる場を見つけてください。
ご相談があればご支援します!