#36
新卒で入った職場、「周囲とうまく行かないのはどうして?」 コンサルタントからのアドバイスですっきり納得。
PROFILE
Kさん 20代 臨床経験1年
初めての就職活動はどのように進めましたか?
中小規模の病院で患者さんに寄り添う理想の看護を目指したい
高校卒業後、ワーキングホリデーのため、オーストラリアに滞在していたというKさん。現地の病院で活躍する日本人ナースや病院通訳の方と出会ったことが看護師を目指すきっかけになったといいます。
「看護師の資格があれば、日本はもとより、世界でも通用すると考えました。」
そしてKさんは帰国後、関西の看護大学に進学しました。大学ではチーム医療に力を入れており、勉強していてとてもやりがいを感じたそうです。
卒業を控え、就職活動を開始したKさんですが、実家のある首都圏への就職が希望だったため、大学のある関西からは距離があり苦労しました。
「関西にいながら関東圏の病院の情報を集めることは大変でした。さらにコロナ禍でもあり、実際に見に行くことはできないので、ネットで情報収集、資料請求をしました。
私が希望したのは地域に密着した中小規模の病院。患者さんの近くで要望を聞きながら看護ができる環境が理想でした。」
いくつかの病院に応募するなど就職活動を進めていたKさんですが、自力で活動することに行き詰まりを感じ、大手エージェントに登録をしました。
「ネットで登録をするとすぐに連絡があり、面接へと進みました。」
大きすぎない病院、通勤しやすい立地、良好な人間関係などKさんの希望を満たす病院が見つかり、見事に合格、就職先が決定しました。
「入職にあたって、一般病棟、療養病棟、HCUのうちから希望の配属先が選択できたので一般病棟を選びました。先方からも了解が得られていたのですが、なんと勤務開始当日にHCUに変更になったと突然言われてしまったんです。驚きと不信感でいっぱいでしたが、仕方がない、そういうこともあるのかな、と諦めました。」
転職を考えたきっかけは?
教えてもらえない、仕事をさせてもらえない理不尽な環境。主治医の「異常事態宣言」で休職へ
新卒でいきなりHCUに配属になったKさん。さまざまな苦労があったといいます。
「仕事上のことより職場の雰囲気や人間関係に悩まされました。プリセプターに相談はできたのですが、その相談内容が翌日には病棟全体に広まっているのです。噂好き、といえばそれまでですが、私の発した一言が何でも筒抜けになってしまうのは困りました。
プリセプターの先輩は私の疑問に対して丁寧に教えてくれました。しかしその指導に対して他の先輩方からチェックが入るんです。『あの教え方はないよ』とか、その場で注意されてしまう。そのうち、プリセプターの先輩も私に教えることに萎縮するようになってしまったんです。
職場での情報伝達もうまくいっていないことが多く、申し送り漏れも度々ありました。実習先で経験してきた環境とは全く違い、新卒の私にとってはとても怖かったですね。
突然、人工呼吸器をつけている患者さんの担当になったこともあります。経験がなかった私は、主任にまだ勉強していないからできない、と伝えましたが、いずれやらなくてはいけないことだから、教えてもらいながらやるように、と教育担当の先輩をつけてくれました。
けれど、その先輩は寝耳に水で、教育担当に指名されたことを全く知らなかったそうです。しっかりと教えてくれたものの、職場の意思疎通の悪さやギスギスした雰囲気に疲れてしまうようになりました。
夏を迎える頃からは、質問しても教えてもらえないようになり、厳しい言葉をかけられることが重なりました。看護師としての役割も任せてもらえず、担当患者さんを持たないフリー業務だけが仕事になっていきました。その頃の私は、成長したいと思いながらも理不尽な扱いに慣れきってしまい、周囲に訴える気力も無くなっていたのだと思います。
その状況が異常だと気づかせてくれたのは以前から通っていたメンタルクリニックのドクターです。カウンセリングで仕事や職場の状況を話すと『これは異常事態だから診断書を書きます。』と言ってすぐに診断書を出してもらえました。」
転職活動はどのように進めましたか
相手を尊重し愛情を持って接する。アドバイスから気づきを得て転職成功
診断書を病院に提出し、しばらく休職することにしたKさん。その頃、同じ病棟で働く、親しい先輩からメールを受け取ったそうです。
「引き継ぎの時、いつもあなたの悪口が話題になっている。この職場であなたが成長することは難しいから次へ移ったほうがいい、と先輩がメールで知らせてくれたんです。
それを機に退職を決意しました。その時に紹介してもらったのがナースコンシェルジュです。親切だから相談してみたら、と。」
ナースコンシェルジュに連絡をとると早々に面談の時間を取ってくれました。Kさんは今まで職場であった理不尽なことや辛かったことを隠すことなく話したそうです。
「コンサルタントの方は私の話をずっと聞いてくれて、転職の話をする前にアドバイスをしてくれました。それは、私が職場でうまくいかなかった理由を振り返ってみましょう、ということです。
私は大学を出たばかりで現場経験が無いのにも関わらず、先輩の仕事ぶりを見たとき、「知識が不足している」とか、「経験に頼りすぎている」といった欠点が気になりました。
そうすると相手には、そう思っている事が伝わり、「新人らしくない」「生意気だ」と感じさせ、人間関係が難しくなるのだ。と教えてくれました。
その話を聞いて、とても納得感がありました。確かに、私には人の足りないところを見て、知らず知らずに上から目線で見てしまうところがあったかもしれません。
そして、これから社会でうまくやっていくためには、相手を尊重し、愛情を持って人に接することが重要だとも教えてくれました。
どんな職場でも、人にきつく当たる人はいるものです。そんな人に出会った時には、その人たちは、人に優しくできない”何かの事情を抱えているんだ”。そう思って自分自身が相手に愛情を持って歩み寄ろうと決めました。」
職場での具体的な行動に対するアドバイスももらったといいます。
「入職してから三か月はどんなことにも『わかりました』と言おう、ということ。謙虚に、先輩たちのやり方を尊重して受け入れてみようと思いました。
そして面接では、強く主張するよりも、素直な謙虚さを強調しよう!というアドバイスをもらいました。」
ナースコンシェルジュのコンサルタントとの面談を通して、社会で上手く人と関わっていくための対応や工夫を学んだというKさん。退職から一ヶ月ほどで、希望条件を満たした病院への内定を獲得。現在は勤務開始を目前にしています。
「次の就職先は50床の消化器内科病院です。通勤時間や地域に密着した病院であることなど希望通りの職場が見つかって満足しています。
ここに決めた一番の理由は面接の際に看護部長さんが、私のために三ヶ月間の教育期間を設けてくれたことです。以前の病院ではなかったことなので、嬉しかったですね。そして『うちの看護師はみんな優しいですよ』とも言っていました。今から楽しみです。」
これからの目標は?
現場のやり方を尊重し、チームの一員として円滑に仕事を進めたい。
「チームの一員であるということを忘れずに、周囲を尊重しながら円滑に仕事を進めていきたいと思っています。
私は看護の仕事が好きです。患者さんのことをもっと知りたいと思いながら仕事をしてきました。患者さんの思いを汲み取って、ニーズに合わせた看護をしていくことが理想です。
前の職場では辛いことも経験しましたが、一つ学んだことがあります。それはストレスの多い環境では人に優しくすることは難しい、ということです。
看護の現場は過酷です。将来はこの厳しい環境を改善していくための仕事がしたいと、今回の経験を通して感じました。医療スタッフがストレスの少ない環境で働けたら、患者さんにいい看護が提供できるはずです。
それがどうしたら可能なのか。今の私にはまだわからないのですが、まずは、次の職場で私自身が充実した仕事をして成長していきたいと思っています。
初日を迎えたKさん。こんな報告のメッセージが届きました。
初日はとても丁寧にお仕事を教えていただきました。
看護師さん同士も仲が良い様子で安心しました。
患者さんの笑顔も多く見受けられたので嬉しい限りです(笑)
素敵な職場を紹介していただき、ありがとうございます😊✨
初心を忘れず、キャリアアップ頑張ります!!
職場に上手くなじんでいくための作戦会議。かなり時間をかけて行いました。まだ若いKさんのこれから長く続くナース人生。少しでもお役に立てたなら嬉しい限りです!!