#37
結婚、出産、育児。ライフスタイルが変化しても、 働き続けることはできる!
PROFILE
Kさん 40代 臨床経験18年
最初の職場を退職した理由は?
結婚退職でアイデンティティの危機。働いていない私は私じゃない!
専門学校を卒業後、大学病院で看護師のキャリアをスタートしたKさん。トータル14年間を医療の最先端の技術、情報が集まる環境で過ごしました。
「やりがいを感じながら働いていました。充実していましたね。
新人からリーダー育成など、年次や立場に応じた教育制度が充実していて、とても恵まれていました。初めは学ぶ側でしたが、何年かすると教える側にもなり、両方を経験できたことは大きな収穫になりました。また、看護研究の進め方など専門的なテーマの研修制度も豊富で、看護を探求する姿勢はここで身につけたと言っていいです。学びたい人を応援してくれる環境だったと思います。」
30代に入り、このままキャリアを追求していこうかと自身の将来を考え始めた頃、大きな転機が訪れます。
「認定看護師の資格を目指すか、病棟を移って主任看護師として勤務するか、という時期だったのですが、その頃結婚することが決まったんです。
私は結婚後も働くつもりでしたが、結婚相手に留学の話が持ち上がりました。同行した場合、仕事との両立は無理です。かなり悩みましたが、海外での新しい生活を選び、退職を決意しました。」
ご主人と海外へ渡ったKさん。1年半に渡る生活で大きな気づきがあったといいます。
「看護師として働いていくことは私の人生にとって、重要な意味がある、と自覚しました。慣れない海外で仕事をしないで家にいると、ついこの前までは看護師として第一線で働いていたのに、今の自分には何もない、と思ってしまうんです。アイデンティティーの危機でしたね。そして、日本へ帰国したらすぐに働こう!と決めました。
転職活動はどのように進めましたか?
「望んでいる働き方を実現しましょう」。コンサルタントの頼もしい一言で奮起
帰国後、就職先を探し始めたKさん。友人の勧めてくれたナースコンシェルジュに連絡を取ります。
「結婚して、子供も欲しかったので、今までと同じ働き方はできないと思いました。ナースコンシェルジュのコンサルタントの方には、妊活と両立できること、通勤にあまり時間がかからないこと、ゆくゆくは育児と両立したいので夜勤がないことを条件に相談しました。
コンサルタントの方は『大丈夫ですよ、Kさんが望んでいる働き方ができるようお手伝いします』そう言ってくれて、頼もしかったです。」
いくつかの候補の中から決まったのは皮膚科のクリニック。Kさんのご自宅から数十分で通うことができ、希望通りの時間での勤務が可能な職場でした。仕事も慣れて順調に勤務していましたが、妊活の成果があり、程なく妊娠されました。
「お腹が大きくなるまで勤務したのですが、出産を前に退職を決めました。しばらくは育児最優先の生活を送ることにしました。」
出産後、育児に奮闘していたKさんですが、お子さんが1歳を迎える頃から、働きたいという気持ちが強くなっていきました。
「子供はもちろん可愛いですし、子育て中心の生活も充実していました。でも、私らしくいるには、働くことが必要だと気づいたんです。社会と繋がって、看護師として役に立ちたかったですね。しかし、働きたい条件の(夜勤のない)求人での勤務では、子供を保育園に預けることはできないところばかりでした。育児と仕事の両立の難しさに直面しました」
そんな時に見つけたのが保育園での看護師募集の求人だったといいます。
「ここで働くことを決めた大きな理由は、園内の一時保育に子供を預けていいと言ってもらえたこと。子供が近くにいるので安心ですし、さらに育児短時間勤務も認めてもらえたので育児と仕事の両立が叶いました。
保育園に在籍する看護師は急な発熱や嘔吐等に対応するのはもちろん、健診時のドクターのサポート、感染症対策などを幅広い業務を担当します。ミルクや離乳食の介助など保育の補助も仕事です。最初は慣れない環境で戸惑うこともありましたが、二年目頃からは、どうしたら園や子供たちのためになるのかが見えてきました。
保育園に子供を預ける親は自分と同じように仕事と育児を両立しています。同じ立場にいる者として、保護者の方の悩みに耳を傾け、自分の経験をアドバイスする場面もよくありました。こうしたコミュニケーションは楽しかったですし、やりがいにもつながりました。」
Kさんは園内看護師として充実した日々を送っていましたが、お子さんの成長とともにご自身の働き方について考えるようになっていったといいます。
「子供が一年生を迎えるのがきっかけとなり、母としての生き方も大切だけれど、これからは女性としての生き方にウェイトを移していってもいいんじゃないかと考えたんです。やりたかった仕事にそろそろチャレンジしようかなと思いました。
『今なら在宅勤務で家にいる時間も長いので、サポートする』と夫から賛成を得られたことも大きかったですね。」
転職の決め手はなんですか?
尊敬できる先輩と出会い、目標だった訪問看護の道へ。
Kさんが次に目指したのは訪問看護師です。ずっと興味を持っていたものの挑戦できずにいたといいます。
「大学病院で身につけたことに加え、結婚や育児で様々な経験をして、多くの人と関わってきました。人として積み重ねてきた経験が、患者さんの生活を丸ごとサポートする訪問看護の仕事にはきっと役に立つと思いました。今だからチャレンジできる!と。」
そこで再びナースコンシェルジュに連絡を取ったそうです。
「子供が小学校へ入るとはいえ、急に手が離れるわけではないので、働き始めてしばらくは融通の効く働き方が理想でした。母も子も新しい環境でいっぱいいっぱいになることだけは避けたかったんです。
そんな仕事が可能なのかと不安でしたが、コンサルタントの方は『最初はパートとして短めの勤務時間から始めて、慣れたら伸ばしていけばいい。そしてゆくゆくは常勤も目指せるような勤務先を探してみましょう』と、私の気持ちに寄り添ってくれました。
いくつかの企業で面接をしましたが、訪問看護と一言でいっても事業所によって個性がいろいろなのです。そんな中で私が転職を決めたのは看護をとても大切にしている印象が強かった事業所です。研修体制がしっかりしていてスタッフ全員でスキルアップを目指している姿勢が伝わってきました。
一番の決め手になったのは訪問看護の専門看護師である所長さんとの出会いです。働くスタッフを大切に考えている方で、看護師がワークライフバランスの取れた安定した生活ができてこそ、質のいい看護が提供できる、というポリシーを話してもらい、とても共感できました。仕事と育児の両立にも理解を得られ、ここなら頑張れる、そう感じました。
所長さん自身、パートから訪問看護を始め、専門看護師の資格を取得されたそうです。しかも三人のお子さんがいながら働き続けてきたというのですから、一体、どうやって時間をやりくりしてきたんだろうと、驚きと尊敬の気持ちでいっぱいです。
現在は入職を前にした準備期間ですが、尊敬できる方のもとで働きたい! 勉強してみたい!と楽しみです。どんな新しい経験ができるのかワクワクしています。
これからも一人の女性としてイキイキと働き続けることが目標です。いつか、子供が働く私を見て、お母さんは素敵だと感じてもらえたらいいなと願っています。」
後輩へのアドバイスは?
育児で大変な時期は、実は長くない。復帰に悩むなら相談だけでもしてみて。
「育児をしながら仕事をすることは大変です。でも、子供に手がかかる時期はそんなに長くはありません。私もそうでしたが、気がついたら一番大変な時期は過ぎてしまっていました。
だから、仕事を続けたかったら、大変でもチャレンジする価値はあるのかな、と思います。私は子育てが大変だからといってチャレンジを後回しにしたくありませんでした。
ずっと後になって、子供のせいで復帰のタイミングを逃してしまったと思いたくなかったんです。子供たちだって学校や保育園で毎日頑張っているのだから、母親も一人の人として社会貢献している姿を見せてあげたいと思って、仕事を続けようと決めました。
けれど、いざ仕事探しに直面すると、仕事と育児を両立する働き方って何があるのか、どんなふうに見つけたらいいのか、一人で考えていても解決できません。そんなときこそコンサルタントの方を頼っていいと思います。
ナースコンシェルジュのコンサルタントの方は、私の状況や希望を最優先にして、どんな選択肢があるのかを教えてくれました。一歩踏み出す勇気をもらえたと思っています。一人で考えて解決法が見つからないなら、相談だけでもしてみるといいのではないでしょうか。
クリニックの転職をサポートさせていただいた後も、妊娠や出産報告、また新たに自分で見つけた求人で保育園の勤務が決まった、等々とても丁寧にマメにご連絡をくださっていました。
今回約6年ぶりに本格的に訪問看護への転職をするのでサポートしてほしいとご報告いただいたときは、とても嬉しかったです!
まず、訪問看護はどのような流れでどのように仕事をしていくところなのか、そしてステーションごとに特性があるということ、病棟やクリニックとの違いなどをお話しし、だいたいのイメージがついたところで複数みてみることで違いを感じてもらいたいと思い4件の面接を組みました。
Kさんは大学病院の急性期看護のご経験が十分にあり、主任の話まで出ていたくらいのお人柄です。また、患者さんのために質の高い看護をしたいという思いが強く、とにかく謙虚で現場思考の方なので、受けた4つのステーションさんすべてから内定をいただけました!
その中でも、管理者さんの看護理念がしっかりしていてスタッフみなさんが同じ思いで楽しく働けていそうと感じたステーションさんに入職を決められました。
お子様の学校と、仕事の両立ができそうな環境を選択されたので今後のKさんのご活躍が楽しみです。
新たな分野にチャレンジしたい方へは、今までの職場との違いを特に丁寧に説明しますので、お気軽にお問い合わせください!