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看護の幅を広げ、ジェネラリストを目指したい。面談で見えてきた理想の将来
PROFILE
Yさん20代 臨床経験7年
●転職を考えたきっかけは?
同期が一斉に退職した3年目。周囲に影響され、違う世界が見たくなった
看護学校を卒業後、総合病院へ入職したYさんの最初の職場は慢性期病棟でした。
「外科を希望していましたが、入職にあたって、慢性期病棟でじっくり学んでから、急性期へ移った方が私の性格に合っているのでは? と師長からアドバイスされました。そこで、まずは慢性期病棟で経験を積んでみようと考え直し、勤務を開始しました。」
仕事は順調だったというYさんですが、急性期病棟で仕事をしたいという思いは消えず、2年目に急性期病棟へ異動させてもらったそうです。念願の外科病棟での勤務を実現したものの、3年目を迎えた頃、ほとんどの同期が退職してしまったといいます。
「看護学校の奨学金返済のための勤務期間は3年間です。3年間が一区切りという考えの人が多く、その期間を終えるとほとんどの同期の仲間が退職していきました。周りの影響はとても大きかったです。
今勤めている病院は第一希望でなかったことや、納得いくお給料の額ではなかったこと、もっと高度な外科の看護を経験したいなど、元々、不満に感じていたことはあったのですが、同期の退職を機にその思いが大きくなっていきました。知らない世界を見たい、新しい職場で働いてみたい、と考えるようになりました。」
そして4年間勤務した病院を退職したYさん。エージェントを使って転職した職場は医療法人グループの総合病院でした。
「その病院については、職場の雰囲気や仕事の厳しさなど、さまざまな噂を聞いていました。実は、もう一つの病院からも自力で内定をいただいていたので、とても悩みましたね。
エージェントの方からは、職場の雰囲気や仕事については入ってみなければわからない。それよりも充実した設備やお給料など、確実なものを見て判断しましょう。と薦められて入職を決意しました。今振り返ると、誘導されたのかな、とも感じます」
再び転職を決意した理由は?
初めてのICUでのしかかる責任。職場の人間関係が追い打ちをかける
転職先の職場は経験のないICUでした。
「ICU はとても大変でした。右も左もわからず、言われたことをこなすだけです。重篤な患者さんが多く、入れ替わりも激しいため、患者さんと向き合う看護とは無縁の毎日でした。
人材不足のせいもあり、1ヶ月後には担当患者さんが増やされ、半年後にはリーダーに。責任も重く、強いストレスを感じましたね。」
さらにYさんを悩ませたのは職場の人間関係だったといいます。
「ミスがあった時には悪いところを指摘し合うことに終始し、再発防止のための取り組みは二の次だったような気がします。
休みの日もゆっくり休めず、『勉強しなくちゃ!』と焦ってしまいます。だんだん病院へ行くのが嫌になっていきました。その頃、持病が悪化し、手術をすることになりました。その原因としてストレスが指摘され、もうここでは働けない、と思うようになりました」
そして、退職を決意したそうです。
「持病の悪化などを理由に退職を申し出ました。しかし、すんなりとは退職できません。次のボーナスまで、次の有給取得まで、と何度も引き伸ばされました。転職活動もままなりませんでした」
転職活動はどのように進めましたか
コンサルタントからのアドバイスで、自分の目指したい将来が見えてきた
ようやく退職ができたものの、直前まで退職時期が決まらず、転職先を見つけないままの退職となりました。
「退職が1月末だったので、3か月くらいは派遣で働き、4月から正社員として勤務しようと考えました。そこで、週2回はサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で、週3回は訪問入浴の介助として働き始めました。今までの職場とは全く違う業務内容ですが、派遣は正社員の仕事が見つかるまでの短期間と考えていました。
3か月くらい経った頃、サ高住でフルタイムのパートとして働かせてもらえることになりました」
派遣で働きながら、同時並行で次の転職先を探すことにしたYさんは、友人の紹介でナースコンシェルジュに登録しました。程なくコンサルタントとの面談に臨んだそうです。
「エージェントの方と実際にお会いしたのは初めてでした。面談でお話しして、さまざまなことを教えてもらったと思います。
まず、自分が看護師として現状は、どういう立ち位置にいるか、そしてこれからどこを目指し、そのためには何が必要か、ということです。
私がいたICUは高度な技術が必要とされる場所です。しかし、ICUや外科病棟に戻りたいとは思いませんでした。現在はパート勤務という安定しない立場のため、社員として働くことができれば、急性期にこだわらず慢性期やリハビリ病棟でもいい、と思い始めていました。
今考えると少し投げやりになっていたのだと思います。20代で施設に身を置いてしまったら急性期から離れてしまい、キャリアが積めないことなど、考えもしなかったなと。コンサルタントの方と話しているうちに、自分の判断基準が主観的だったことに気付いたのと同時に、本当はどうなっていたいか、理想の将来を描けるようになっていきました。
私は、慢性期病棟、外科病棟、ICUの経験があるので、今後は、スペシャリストではなく、ジェネラリストとしての道が向いているのでは、とお話をしてもらった時には納得感がありました。そのために、これからは循環器や脳外科など他科にチャレンジしていってはどうか、とアドバイスをいただきました。
ようやく自分の目標が見えてきた気がしました。
目標を実現するために、もう一つ大切なことを教えてもらいました。まずは3年を目安に勤務を続けましょう、と言っていただきました。3年を乗り越えるとその先のキャリアが見えてきますよ、とアドバイスをもらい、頑張ってみようと思いました」
現在の職場の決め手は何ですか?
患者さんとの信頼関係を築き、寄り添う看護を実現したい
ジェネラリストとしての幅を広げていくという目標を見つけたYさん。転職先として選んだのは総合病院の外科病棟です。
コンサルタントの方から指導していただきながら面接に臨み、二つの病院から内定を獲得できました。どちらも好印象だったのですが、今の勤務先に決めた理由は、急性期ではあるのですが、落ち着いて、じっくりと患者さんと向き合う看護ができそうだと感じたからです。
現在は入職して三か月ほど経ったところです。毎日忙しく大変ですが、施設よりも「看護」ができているなと感じられているので、充実しています。忙しすぎて自分のキャパオーバーだなと感じた時期もありましたが、そういう状況は自分が成長できるチャンスだと思って、しっかりと任務を果たすことに注力して頑張っていると、自然と慣れてきましたね。
既卒で入職する方が多く、お互いに何が大変なのかを理解し合えている職場です。頼りになるお姉さん的存在のプリセプターもいて、業務も、業務以外のことも相談できるので助かっています。
今は、業務を滞りなく進めて、早く患者さんとの信頼関係を築きたいですね。苦痛や異常にいち早く気づき、少しでも楽に過ごしていただける環境を作っていきたいと思っています。
後輩へのアドバイス
イヤになったら、なぜ自分はこの職場に来たのかを思い出してみてほしい
私もそうだったな、と覚えがあるのですが、一度イヤになってしまうと、イヤなところばかりに目がいってしまいます。そうすると、その職場をどうして選んだのか、目標はなんだったのか、ということを思いだせなくなってしまうのです。
転職は、イヤだから次へ行くということの方が多いのかもしれませんが、そんな時でも最初の目標を思い出せるといいのかな、と思います。そうすると「まだこれができていないから、できるまでもう少し頑張ろう」という気持ちになって、踏みとどまれるかもしれません。
もちろん、転職した方が目標に近づけるのだったら、躊躇する必要はないと思います。
でも、自分だけではどちらの道を選ぶべきなのか、わからないことが多いのも事実です。そんな時には、頼りになるコンサルタントの方に相談して、教えてもらうこともいい方法だと思います。
入職時の希望病棟に2回も配属が叶わなかった、というところから深堀りしていくと、病院の都合もあると思うし「合わせます」というニュアンスで言ってしまったとのこと。
とっても謙虚で繊細な心遣いができるYさんは、周りに気遣いして合わせてしまって自分を疲れさせてしまうご性格かなとお見受けしたので、もっと自分の考えを主張していいし、自信をもって表現するほうが自分のためにもなります、とアドバイスさせていただきました。
忖度してしまったがゆえに、自分のやりたいことができず早期退職に繋がるのは、とてももったいないです。うまく自分の考えや希望を伝えるような工夫やスキルも大切ですので具体的にお伝えしています。
Yさんは色々な職場のご経験から、ご自身の人生プランを見直したときに、「やはり今は急性期を頑張りたい」という思いに行きついて、再始動されました。
今回の転職のテーマは「急性期病院だけど激務すぎず、チームで協力して看護ができる環境」でした。仕事の休みを使っての転職活動でしたが、書類づくりや面接対策も丁寧に行って見事すべて内定(しかも希望病棟配属)をいただけました!
入職して3ヶ月経過した今もやりがいを感じていらっしゃるとのことで、嬉しく思います!3年頑張った先の景色が楽しみですね!
困ったことがあったらいつでもお気軽にご相談ください。もちろんいいご報告もお待ちしています。