#41
大手エージェントでは『まだ早い』『希望に合うものは難しい』と言われていたが、 YouTubeを見て”ここならば良いかも”と相談し、転職成功へ。
PROFILE
Sさん 50代 看護経験30年以上
INTERVIEW
●最初の転職を考えたきっかけは?
育児を優先するため、融通がきく職場へ転職
Sさんの最初の職場は東京都内の急性期病院。激務で知られた病院でした。消化器病棟や呼吸器・糖尿病内科病棟で勤務し、7年が過ぎた頃、Sさんは最初の転職を経験します。仕事から育児へ生活をシフトしたいという理由からです。
「上の子は小学校入学時でしたし、一番下の子はまだ乳児でした。満員電車での通勤も難しく、小学校での母親の役割も増えるだろうと考えて退職を決意しました。」
「次の勤務先は消化器内科のクリニックでした。子供のため勤務の融通がきくこと、通勤時間、収入が変わらないことなどを基準に探したと思います。求人雑誌などを見て、自力での転職活動でした。」
その後、何回かの転職を経てSさんは数年ぶりに、最初の就職先である急性期病院へ復帰する決意をします。看護師としてもっと知識や技術を身につけなければならないと感じ、古巣の急性期病院へ戻られました。
あまりの激務に新人看護師の半分以上が3年以内に辞めてしまうという厳しい職場で、Sさんは12年もの長期に渡り勤務を続けました。理由はどこにあったのでしょう。
「託児所の存在が大きいですね。子供たちと一緒に通勤する時間はかけがえのない時間でした。病院附属の託児所ですから夜勤など勤務シフトに対応した保育をしてくれ、助かりました。そして、心を許せる同僚に出会えたこと。同年代の人で今でも交流があります。」
目標であった技術の習得をしながら、人間関係にも恵まれた職場で勤務していたSさんですが、再び転職を考える時期がやってきました。
●次の転職はどのような理由からですか?
50代を迎え、落ち着いて看護ができる環境へ
「年齢的に急性期病院での勤務がキツくなってきました。サービス残業が常態化している組織にも疲れました。先のことも考え、年齢を重ねても勤務できる職場へ移りたかったんです。」
Sさんは患者さんを精神的に支えたいと考え、転職先に精神科を選びました。その精神病院は自然が豊かなエリアにあり、70代のナースも勤務している働きやすい環境でした。ゆったりとした環境で患者さんの心を支える看護を経験できたといいます。
「その職場では自分の時間が取れたので、看護学校の通信講座を受けることにしました。知識や技術が体系的につながり、学んだことは大きかったです。そして正看護師の試験に挑戦し合格できました。」
正看護師の資格を得たことで、転職して学んだ知識や技術を活かしたいと考えるようになったSさん。今まで同様、自力で転職先を探しました。
「転職先は療養と回復期リハビリの病院です。どちらも初めての領域でしたが、やってみようと決意しました。配属はリハビリ病棟です。重症で精神的にも難しい背景の患者さんもいて、苦労は多かったですが、精神科で得た知識を役立てることができました。10人の患者さんは10人それぞれに事情があり、症状も違います。一人一人に寄り添うことが大切です。」
厳しい職場でしたが順調に勤務を続けてきたSさん。2020年に入り、引っ越しが決まり、心機一転、転職を決意します。
「新しい住まいから通いやすい職場へ移ろうと思いました。現在の職場が体力的に辛くなってきたことも理由の一つです。」
●具体的な転職活動はどのように進めましたか?
エージェントへの不信感が消えた、ナースコンシェルジュとの出会い
今まで、自力で転職先を見つけてきたSさん。今回もインターネットや雑誌などを使って探し始めました。しかし、断念したそうです。
「自力で探すことに限界を感じました。どこにどんな病院があるのかさえ、なかなかわかりません。自力で活動しても得られる情報はとても少ないのです。そこで、エージェントに相談することにしました。」
しかし、Sさんはエージェントにいい印象を持っていませんでした。
「実は以前、相談したことがあるのですが、私の年齢を聞いただけで、無理です。その年齢の方が働ける職場はありません。と断られました。それ以降、頼もうと思わなくなりました。実は今回の転職でもいくつかのエージェントに相談してみたのですが、ゆっくり探したいという私の希望に、頭ごなしにそんなに先の転職先を探すのは早過ぎる。と言われたこともあります。」
そんな時に出会ったのがナースコンシェルジュでした。
「きっかけはYouTubeを見たことです。ナースの転職についての動画を見て、最初は若い人向けかな、と思いましたが、見ていくうちに自分にも参考になることがありました。退職理由の言い方やダブルワークについてなどです。
それで、ここなら私のことをわかってくれるかもしれないと、匿名で転職相談ができるナースコンシェルジュの公式LINE @にメッセージを送りました。『56歳です。それでも転職先は見つかりますか?』とまず、年齢のことを知らせました。」
すると、コンサルタントから返信が来て、私の事情や、どんなペースで進めたいかを聞いてくれました。気持ちが伝わるのを感じ、信頼感が生まれたんです。半年ほど先に転職したいという時期の話をすると『じっくり考えましょう』と言ってもらえました。ここなら大丈夫と思えて、お願いすることにしたんです。」
そして、コンサルタントとの面談へ進みました。
「初めてお会いしたのに、以前から知っているみたいでした。面談の前から私のことを理解してくれていたので、安心感があったからだと思います。初対面なのにすごく話しやすくて、プライベートなこともたくさん聞いてもらいました。
私の場合、転職回数の多さは家族の事情が影響しています。ですからプライベートな事情を理解してもらえたことはとてもありがたく感じました。他のエージェントはそこまで深く聞いてくれません。一番わかってほしいことなのに、聞いてもらえないのでガッカリしましたね。」
●具体的な転職活動はどのように進めましたか?
私の希望を叶えるため、コンサルタントが奔走してくれた
そうして、Sさんはナースコンシェルジュと共に転職活動を進めることにしました。次の職場の希望条件は、施設なども視野に入れたハードすぎない仕事、収入が下がらないこと、定年が65歳以上などでした。さらに、面接の前に職場見学をしたいという希望がありました。しかし、コロナ禍でもあり、職場見学は難しかったそうです。
「職場見学をさせてもらえるようコンサルタントの方が交渉してくれました。候補の一つの高齢者施設から許可してもらえたのですが、コンサルタントの方が看護部長さんに私の詳しい事情や希望を丁寧に伝えてくれて、先方からも私の状況を理解していただけました。そしてぜひ見学してくださいと言ってもらえたんです。ですから、見学に行った時もとても話しやすく、気持ちよく見学ができました。」
その後の面接も順調に進み、見事、内定を獲得したSさん。この施設に転職を決めた理由について伺いました。
「一番は施設内の雰囲気がとても良かったからです。職員の方も明るく挨拶をしてくれました。通勤もしやすいですし、給与は前職よりもアップしました。そして看護部長さん、副部長さんが歓迎してくれたことも嬉しかったです。
施設見学の前に、コンサルタントの方が看護部長さんへ私の経歴を丁寧に紹介してくれたことは転職が成功した大きな要因だったと思います。」
●最後に、転職を考える後輩へのアドバイスをいただきました。
今の仕事の何がイヤなのか、その原因を突き止めてから行動を
「転職をマイナスに捉えないでプラスにして。と伝えたいです。仕事がイヤ、辞めたいと思う時、何が原因なのかを自分で考えてみてください。仕事内容がイヤなら、やりたいと思う仕事を探せばいいですし、人間関係がイヤなら、嫌にならない場所を探せばいいと思います。原因を噛み砕いて考えれば、もしかして仕事を続けることも可能かもしれません。
感情に流され、ちゃんと考えずに転職をしてしまうと看護職自体がイヤになってしまうかもしれませんし、また同じような転職を繰り返すかもしれません。自分がやりたいことは何なのか、じっくり考えてから行動しても遅くはないですよ。」
都内でも有数の急性期病院で10年以上勤務して来たSさんのご経験は大きなアピールポイントです。組織の中でのバランスを考えながら、堅実にキャリアを重ねて来られたご本人の経歴を丁寧にお伝えすることでご希望通りの転職へつながりました。
ナースコンシェルジュでは求職者の方のお話を丁寧に伺い、その方の人生を深く理解してこそ、本当の意味でのエージェントとして求職者の方の強みをアピールできると考えます。今回はSさんのご経歴や今までの転職のバックグラウンドをきちんと理解し、それを先方へお伝えできたことが転職成功の鍵になリました。
Sさんの新天地でのご活躍をお祈りしています。