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病気を隠すことなく理解ある職場への転職に成功 患者の心に寄り添った看護が信条
PROFILE
Sさん 50代 臨床経験12年
転職のきっかけ
職場環境が悪く転職を決意その矢先に病気が発覚
地方に住んでいたSさん。家族の事情で関東圏に戻り勤めたのは、特別養護老人ホーム。
「給与などの条件はよかったです。ただ、直属の上司と合わなかったんです。介護さんや他のナースとはうまくやっていたので、頑張れたのですが、いくつかの出来事が重なり次の職場へ移ることを決めました」。
そんな矢先に、定期健診で癌サバイバーであることを知ります。転職先には辞退を申し出て、病気治療に専念することにしました。
そして7カ月の治療が終わり経過も良好。再び転職活動をスタートできるまでになりました。
転職活動は?
病気を乗り越え転職活動再開信頼できる担当者と二人三脚で
実は『ナ―スコンシェルジュ』での転職活動は2度目。
初回の転職活動の際に、スマホで『看護師』、『求人』というような言葉を入れて求人を検索している中で、行き着いて登録したそうです。
「前に決まった職場は、病気の治療のために辞退しました。今回の仕事探しにあたっては、前回、担当の方が親身になってくれたので、相談にのってもらうことにしました。」とはいっても、条件的にはハードルが高いと思い、もう一社にも登録しました。
「病気治療の影響でペースメーカーが入っていたり、リンパ浮腫もあるので重いものが持てません。
あと癌サバイバーであることに理解があるところにしたいと思っていました。隠すのはだましているみたいで嫌だったんです。
でも、もう一社の転職サイトの担当者からは、登録当初から書類審査が通るは10パーセントと言われました。
先にそちらから求人を案内されたので応募したところ、案の定、書類審査で落ちたとの連絡。しかも電話に出られなかったからとメールで。明確な理由もなく残念でした」
この経験を『ナースコンシェルジュ』の担当者に共有したそうです。
「面接する前に、病気のことを伝える必要ないんですよ。看護師の実力ではなく、色眼鏡で見られることもあるからと、アドバイスしてくれました」
それでも黙っているのは嫌なので、書類選考が終わり面接が決まった際に、担当コンサルタントから伝えてもらうことにしました。
転職先の決め手は?
病気を隠さずに面接に臨み理解を示す職場へ転職を決意
重たいものを持たずにすむ、自宅からの通勤の便の良さ、癌サバイバーへの理解、そして前回の経験から、職場の雰囲気の良さを条件にして見つかった職場への面接が決まります。
「代表、施設長、看護部長兼副施設長の3名との面接。
その後、施設内を案内してもらった後に社長の面接でした。
病気のことはすでに耳に入っていたようです。すると、実は社長のお母さまも同じ病気であることや、今はぴんぴんしているし大丈夫とも言ってくれました」。
Sさんは、自身の病気について理解してくれたことに安心感を覚え、ここで働くことを決断できました。
現在の仕事を職場
技術やスキル向上だけでなく相手の立場にたった人間味のある看護を
介護付有料老人ホームへの転職を決めたSさん
「職場の看護師は13名。常勤と週4日以上の勤務で8人、週1日勤務が1名、夜勤専門のアルバイト4名で、私は週4日勤務しています。年齢は同世代が中心で40代から50代です。」
転職前に気にしていた職場の雰囲気は良好で、個人的なことを含めてオープンに話せる環境だといいます。
また上司も自分のことをよく見てくれていて、
「あれ、髪型変えた?とか、無理をしていないか?など気にかけてくれます。
ゆるやかで温かい雰囲気がいい反面、仕事面では役割分担が明確でないものもあり、お互い誰かがやってくれているだろうと思っているシーンもあります。
誰が何の仕事をしていて、どこまで終わっているかわからないことも度々ありました。
でも不思議なことに、スタッフが真面目で常識的に仕事をしているせいかもしれません。
暗黙の了解で仕事が回っていたりします」
前の職場との違いは、課題に対して上司が聞く耳を持ち、課題解決をしようとするムードがあることといいます。
「以前の職場は、失敗があると上司がそのことを責めたり、責任転嫁があるような環境でした。
今は違います。問題が起こった時には協力して解決しようというムードがあります。
役割分担の件も問題として挙げたら、ナース会議で話し合った上で、トライアルで担当制を導入することになりました。業務が開始する前に、上司が当日の担当を決めます。」
今は仕事の面も健康面も順調なSさんに、仕事をする上でのこだわりを聞いてみました。
「私は看護師としてがつがつと出世を目指したり、技術や知識を貪欲に向上させてきたわけではありません。
でも、患者さんの気持ちに立った心が通った看護をしたいと思っています。
仕事ができさえすればいいってもんじゃないと思うんです。この仕事は。
たとえば、入居者様からのナースコールが、単に電気をつけてほしいということもよくあります。本来は看護師の仕事ではないかもしれません。
でも、その方の立場で考えると、靴を履いてベッドから出て電気をつけるまでに何分もかかります。若くないから、できなくなることもだんだん多くなります。
電気ぐらいつけてあげてもたいしたことないですよね。気持ちよく過ごしていただきたいです」
これから転職を考える人へのアドバイス
担当コンサルタントにはとにかく何でも伝えてみること
「転職サイトを利用するなら、担当コンサルタントには何でも相談してみてください。
私もずいぶん色々な質問を担当にしましたが、どんな話でも聞き、親身になって考え、できる範囲で答えてくれました。
こんなことを聞いてはダメ、言ってはダメということはないと思います。とにかく伝えることが大切です。
言いににくい事などもコンサルタントが間に入ってくれるので、とても気持ちが楽でした。
これは病気を患って実感したことです。ガンのサバイバーでも就職できましたから。
質問を投げかけてみると、その反応でこの人は親身になってくれるかどうかを見極めることもできると思います。どこも一緒じゃないですよ」
転職を機にご自身の周りの環境はさまざまいい方向に向かっているそうです。
「たまたまかもしれませんが(笑。でも、状を変えたいと思った時、勇気を出して環境を変えてみると、色々なことが好転することもあると思いますよ。」
転職の条件は同じでも、その条件の背景はひとつとして同じものはありません。そのため
お話を伺い、人柄や考え方を深く知ることで、より最適な転職先をご紹介することができ
ます。また、Sさんのようにご案内先へ伝えるタイミングや伝え方で、結果が変わること
は少なくありません。そのためにも、私たちコンサルタントは、ご相談者の立場に立って
考え、成功までのシナリオを一緒につくるように心がけています。