#12
外科病棟から結婚により訪問看護へ。転職ライフスタイルの変化に伴い、生活重視の職場選びを実現
PROFILE
KJさん 30代 看護師 保健師 臨床経験10年
転職を考えたきっかけは?
中堅になり業務が激増。あちこちから任される仕事に心身ともに疲弊
4年制の看護大学を卒業後、新卒で大学病院へ入職したKJさん。担当病棟は脳神経外科、神経内科、泌尿器科と幅広く、チームでこの3領域を交代で看護する体制でした。
3年目でリーダーとなり、5年目を迎えた頃から激務に拍車がかかり始めます。
「日常的に発生する残業に加え、リーダー業務や病院内の委員会活動への参加も求められました。さらに外来の業務を担当することもありヘトヘトでした。毎日、病院と家との往復だけでこのまま人生が終わってしまうのかと。」
その頃から、実家の福岡へ帰ることも視野に入れ、師長に悩みを相談していました。
「けれど、休日もしっかりあるし、給与やボーナスにも満足でした。さらに職場の人間関係も良かったので踏ん切りがつかずに時間が過ぎていきましたね」
しかし、過酷な勤務状況は変わらず、8年目に退職を決意したKJさん。
「本当に疲れてしまって、休みたかったんです。看護師をやめようと考えたほどです。一度この環境から離れようと決意して退職しました。」
転職活動はどのように進めましたか?
「外科に向いている」。自分でも気づかなかった強みをアドバイスされ再度外科病棟へ
退職後、しばらく家で過ごしていたKJさんですがしばらくすると、働きたい!という意欲が戻ってきました。
「私は保健師の資格も持っていますが、看護師とは違う分野で働くことに興味が出てきて、産業保健師として働く道を考えました。転職サイトに登録すると、担当者から連絡がありました。電話で希望条件等を伝えると、すぐにメールでいくつか転職先の候補を送ってきてくれます。
その後面接に進むのですが、結局、担当者と会うことはなく、連絡は電話とメールだけ。面接にも一人で臨みます。とにかく不安でいっぱいでした。転職活動をするうちに、患者さんとの関わりが少ない保健師の仕事は、自分には向いていないとわかりました。私は患者さんに寄り添う看護師の仕事が好きなんだなと。」
そして再び看護師として働く決意をしたKJさん。友人の紹介でナースコンシェルジュのコンサルタントと出会います。
「担当の方は退職の経緯や希望についてじっくり聞いてくれました。実はこの方はナースからの転身。病院や看護のあるあるなど、いろんな話をしながら、率直に相談できましたね。面接への同行や同席もしてもらい、頼れる存在でした。
ある時、担当者に、私は手術をした患者さんが回復して元気に退院していくのを見るのが好き、という話をしたんです。すると、『KJさんは外科に向いていますね』と言ってくれました。自分でも気づかなかったのですが、確かにそうだと納得。得意分野が見えたことで自信にもつながりましたね。
『外科に向いている』とアドバイスされなかったら、前職と同じ分野へ転職することはなかったと思います。自信を持って次の職場へ向かうことができました。」
転職先の決め手は何ですか?
看護の現場を見学し、新たな分野への挑戦を決意
転職先は、新築移転した病院。担当は消化器外科・乳腺外科・形成外科病棟です。
「この病院は本院からの出向で二年間の勤務と決まっていました。得意分野の外科で、期間限定なら頑張れるはず!と転職を決めました。さらに、寮も完備されていたこと、給与面も納得できたことも決断を後押ししました。」
勤務当初は戸惑うこともあったものの、3ヶ月ほどで新しい環境にも慣れ、師長や同僚との人間関係も円満だったといいます。そして勤務開始からおよそ1年後、結婚が決まり、通勤も難しいことから退職することになります。
新生活が落ち着くと、再び転職を考え始めたKJさん。まっ先に相談したのは同じナースコンシェルジュのコンサルタントです。
「クリニックなど日勤で働けるところを希望しました。でもクリニックは少人数で運営している上、妊娠で離職することも予測されるためうまくいきませんでした。そんな時に提案されたのが訪問看護です。
条件は満たしているものの、働くイメージが全くわかず、職場見学ができないか、コンサルタントに相談しました。すると、訪問看護の事業所と掛け合ってくれました。
患者さんのご自宅へ伺って実際の訪問看護の現場を見せてもらえたんです。先生について往診も見学しました。患者さんと丁寧に向き合える現場であることが理解できて、最終的にはこれが決め手。
スタッフもママさん看護師が多いことや9時から18時までの勤務であることも安心できました。」
現在の仕事と職場
患者さんとご家族に寄り添いながら、チームで進める看護
「1日に4〜5軒のお宅へ伺います。それぞれの家のルールを覚えなくてはならないので意外に細かいことが多いんですよ。バスタオルはこの引き出しから出す、とか。生活介助が必要な方が多いので、シャワー浴介助や服薬管理など決められた看護をします。
訪問看護は看護師の他にも、ケアマネージャーやヘルパーなどチームで関わります。わからないことは相談できるので助かります。その反面、患者さんからの要望などチームで調整が必要な大変さはあります。」
初めての訪問看護に向き合うことになったKJさん。やりがいはどんなところにあるのでしょうか。
「在宅看護では、悪くならないよう現状を維持することがとても大切です。長く療養生活を送る方が多いので、患者さん本人のストレスに加え、家族の介護疲れへのフォローなど、一人ひとりに寄り添いながら看護しています。」
KJさんは現在、出産を控え、一旦、看護の現場から離れています。
「辞めたいと思ったこともありましたが、私にはやっぱり看護の仕事が向いていると思います。将来のことは子育てが落ち着いたら考えたいですね。」
これから転職する方へアドバイス
譲れない条件を大切に、妥協せずに仕事探しをしてほしい
「自分の中で譲れない条件を大切にしてほしいです。その条件を網羅できる職場じゃないと続かないし、心が折れてしまうと思います。自分が何をしたいか目標を持っているといいですね。知らない分野でも、勉強したい気持ちがあれば強みになりますから。希望の条件に対して妥協してしまうと、こんなはずじゃなかったと後悔することになります。
私は仕事に人生を捧げるのではなくてプライベートも大事にしたいです。残業や夜勤についての要望は遠慮なく伝えた方がいいと思います。
しっかり見極めて、そして、決めたら飛び込むことも必要です。
また、多くの方が転職サイトを使うと思いますが、コンサルタントとの相性も重要です。私はネガティブに考えてしまいがちですが、ナースコンシェルジュのコンサルタントは『大丈夫だよ!』と励まして不安を追い払ってくれました。
勇気づけられましたね。
KJさんとの面談の中で、「手術をした患者さんが回復して退院されていく姿を見ることがやりがい」とうかがいました。当初、外科は希望しないとのことでしたが、このお話から、得意分野は外科ではないかとアドバイスさせていただきました。ご本人も納得されて、結果、外科病棟への転職に成功されました。
当社ではご希望を大切にしながら、ご本人が気づかない可能性や得意分野を引き出し、強みにした提案も大切にしています。
また、結婚や出産など様々なライフイベントにより生活は変化します。そのタイミングで重視したい働き方をかなえる転職を支援させていただいています。