#14
絶望感いっぱいのどん底からの転職活動。家族的な職場でじっくり向き合う理想の看護を実現
PROFILE
Yさん 40代 臨床経験2年
転職を考えたきっかけは?
退職者が相次ぐ厳しい職場環境に心身ともに追い詰められ、休職を余儀なくされる
音楽大学を卒業後、ブライダル業界で音楽関係の仕事をしていたYさん。
くも膜下出血で倒れてしまったお母様を介護した経験が人生を大きく動かすきっかけになったと言います。
「一生懸命に介護しているのに、回復が進まずストレスが溜まってしまって、母とケンカしたんです。一番辛いのは体が思うようにならない本人なのに。
そこで、介護ヘルパーの資格を取ることにしました。
介護を基本から学んだら母の気持ちもわかってあげられると考えたからです。」
そして、仕事を続けながら通った介護ヘルパー取得講座で思わぬ出会いがありました。
「講師として来た看護師さんが『看護師をやってみたら?』と言ってくれたんです。
一念発起して猛勉強の末、看護学校へ合格することができました。3年間、友人関係もおしゃれも捨てて勉強漬けの毎日を送りました。」
卒業後、Yさんは総合病院の消化器内科病棟へ見事、入職を果たします。
夢の看護師生活がスタートしたものの、現実はあまりに過酷でした。
「わからないことはプリセプターや先輩に聞くのですが、一度教えてもらったことは二度目からは完璧にできて当然という環境でした。
もう一度教えてくださいと聞ける雰囲気ではありません。厳しかったですね。
2ヶ月後には夜勤が始まり、教えてもらえる機会もなく、不安ばかり増していきました。
仕事のことが頭から離れず、休日も気持ちが休まりません。
カルテを見ていても内容が頭に入ってこなかったり、五分前のことが思い出せなかったり、精神的に追い詰められていきましたね。」
厳しい環境に40人いた同期は5ヶ月で14人が辞めていったと言います。
生活リズムが崩れ、夜、眠れなくなったYさん。
体調を崩し、出勤することができなくなってしまいました。
転職活動はどのように進めましたか?
急がせない、決めつけないコンサルタントと出会い、体と心に負担をかけずに活動
医師からドクターストップがかかったYさんはついに休職を余儀なくされました。
「何をする気力もなく家にいて、カーテンを開けることすら苦痛な毎日。
もう、職場には戻れないと思いました。
転職までして看護師になったのに、1年目で辞めてしまうなんて、これからどうしたらいいのかという絶望感でいっぱい。
そんな時、休職中に通っていたメンタルクリニックの看護師さんが、ナースコンシェルジュを「親身になってくれるから相談してみたら?」と紹介してくれたんです。
ナースコンシェルジュに登録して連絡を取り始めましたが、担当のコンサルタントの方は全く急かす様子もなく、私の気持ちが前へ向くのを待っていてくれました。
他のエージェントは登録するとすぐに電話が来て、転職先の候補を紹介されます。
メンタル的にもまだ万全ではない時に、急かされるのは負担でしたね。」
その後ナースコンシェルジュの担当コンサルタントと面談をしたYさん。
「担当の方は話をじっくりと聞いて、『大丈夫。一緒に探しましょう。』とひと言。
私は、『一年目で退職したなんてダメに決まっている』と後ろ向きに考えてしまっていました。
しかし、『そんな環境でよく頑張りました』と私を認めてくれるのです。
さらに『この状況を必ず理解してくれる転職先を探しますから』と励ましてくれ、私を前へ向かせてくれました。
この人なら信頼できると感じました。本当にありがたかったですね。
次の職場の条件は、人間関係が良好なことを第一に考えました。患者さんとじっくり関われる看護スタイルが理想です。それと、家から近いこと。
そこで見つけたのが地元ではよく知られている病院です。
募集をやっているのかもわかりませんでしたが、私からコンサルタントの方に興味があると相談しました。
すると、先方と連絡をとってくれて、面接をしてもらえることになったんです。
面接にあたっては、履歴書の添削をしてくれたり、志望動機を組み立ててくれたり、コンサルタントの方には本当に助けてもらいました。
履歴書の写真がイマイチだと伝えたら、写真の取り直しまでしてくれました(笑)。」
転職先の決め手はなんですか?
アットホームな環境で、患者さんに丁寧に寄り添う理想の看護が実現
「転職先は地元の皆さんから頼りにされている地域密着型の病院です。
面接には、担当コンサルタントの方が同席してくれて、安心できました。
自分のことではあるのですが、当時の厳しさや仕事の状況などは具体的に人に伝えるとなると難しいものです。
うまく言えない場面でもコンサルタントの方が助け舟を出してくれてほっとしました。
面接で看護師長、理事長にお会いしましたが、私の状況を理解してくれて『大変でしたね。』と共感してもらえました。」
無事に理想の病院への入職が決定したYさん。決め手は何だったのでしょうか。
「前職のような大きな組織よりも全体が見渡せるちょうど良い規模が私にあっていると思いました。
長く勤務するベテランナースさんが多く、患者さんとの距離も近く、温かみのある職場です。
わからないことは詳細に教えてくれますし、これ以上はないと思えるほど人間関係は良好です。
院長先生は『うちに来てもらえてよかった』と言ってくれました。嬉しかったですね。
この病院は在宅診療、デイケア施設も併設していて、各施設から患者さんの受け入れも盛んです。
デイケアや在宅から入院する患者さんや、その患者さんがまた戻ったりすることも多いです。
患者さんの状況の変化を把握できますから、丁寧に関わりたかった私の看護スタイルをかなえられました。」
現在の仕事と職場
大規模病院では得られない現場での幅広い経験。技術習得にも不安なし。
「地域に根付いた病院なので、患者さんの症状は本当に様々。通常の診療の他、往診もやりますし、かかりつけの方が救急車で運ばれてこともあります。
看護師の守備範囲も広いですね。
病棟は高齢の方が多く、呼吸器の管理や点滴、採血などが日常的ですが、担当の患者さんの手術がある時には私も手術室に入ります。
ここでは、業務で仕事を区切るというよりも、一人一人の患者さんを担当看護師がしっかり診ることを大切にしていると思います。
そのため、様々な技術の習得が求められます。
大規模な病院ほど教育制度や研修は整備されていませんが、現場での幅広い処置から技術を高めることは可能です。
先輩ナースが教えてくれることは日常的ですし、ドクターが看護師に直接、処置を指導してくれることもあります。
毎日が勉強で、ここでは大きな病院にはない何かを習得できていると思います。
幅広く経験を積んで、将来的には訪問看護など在宅医療にも関わりたいと考えるようになりました。
もう一つ、いいことは希望した日に休みが取りやすいこと。プライベートの予定も立てやすいので嬉しいですね。」
これから転職を検討する方へのアドバイス
無理に自分を合わせる必要はない。自分にフィットする環境がきっと見つかるから。
「職場に自分を無理して合わせなくていいですよ、と言いたいですね。
もし私が最初の職場にずっといたら人間性や価値観まで変わってしまったのではないかと感じます。
自分に余裕がないと、人を思いやるいい看護はできません。
100パーセント、全てがいいところはないけれど、自分に合う職場はきっとあるはずです。
看護師の免許があるのだから、諦めずに探してください。きっと楽しく働くことができます。
いい転職のためには転職サイトは重要です。
大手のサイトは広告も派手ですし情報も多いかもしれませんが、どんどん電話が来て「こんなところがありますよ」と提案されます。
心の準備なく急がされるのは、ナーバスになっている時には苦痛でしたね。
ナースコンシェルジュは、看護師人生が始まったばかりでレールから外れてしまった私を元のレールに戻してくれて、もう一度いってらっしゃい!と背中を押してくれました。
いつもポジティブな言葉をかけてもらい、絶望から引き上げてくれました。
次のステップへ進むことができたのは担当のコンサルタントの方のおかげです。
人間性を理解して寄り添ってくれる転職エージェントを選んでください。」
Yさんの転職理由は、厳しい職場環境や人間関係からストレスが重なり、健康を害してしまったことが理由です。ご本人にとっては辛く不本意な経緯です。
先方へはこのご経験を丁寧に説明してご理解いただくことが必要だと考えました。
そのため面談では、どのような経験をされ、周囲はどう対応したか、具体的な聞き取りをさせていただき、順序立てて経緯を先方へお伝えしました。
Yさんは大きな決心をされて異業種からの転職を果たされた方です。
苦労を厭わず努力ができる方だと併せてお伝えしたところ、ご理解、共感をいただき内定へ至りました。
前職を短期間で退職された方は転職活動に不安があると思います。
しかし、丁寧にその理由や経緯を応募先へお伝えすることで理解を得られることがほとんどです。心配なさらずにまずはお気軽にご相談ください。