#35
地方からの転職活動。希望していた東京への転職を実現
PROFILE
Aさん 30代 臨床経験 8年
転職を考えたきっかけは?
ずっとこの病院の中にいていいのか。他を見てみたい
一般企業での経験を経て、看護師としてのキャリアをスタートしたAさん。家族が看護師として働いていたこと、また、看護師の免許を持っていたら、住む場所や職場がもっと自由に選べるのではないかと考えての選択だったそうです。
新卒一年目で県外の病院へ就職を果たしましたが退職し、出身地の近くの公立病院に移りました。
最初の転職の理由について、伺いました。
「県外で働きたくて自分で探した病院でしたが、その病院は付属看護学校と実習校から入職する看護師が9割。大部分の人はその病院で実習を経験してから入職してきます。ですから、職場でのローカルルールというか、独自のやり方についても詳しいんです。
一方、私にはすべてのことが初めての経験。職場が附属校の出身者を中心に回っているようでやりづらさを感じました。さらに男性ナースは私一人でしたからさらに厳しかったですね。
診療科を変えてもらったりもしましたが、結局馴染めず、地元の公立病院へ転職することに決めました」。
悩んだ末、最初の転職を決断したAさん。転職先の公立病院では仕事に集中できる環境が見つかったといいます。
「4月に新卒の人たちと同じタイミングで入職しました。最初の職場は外科。その後、包括ケア病棟に移りました。
看護師は約20名で、男性看護師は2名です。スタッフとの関係は順調で、その中でようやく自分の立ち位置のようなものが見つかったと思います。圧倒的に女性が多い職場で、男性の私がいることで職場の緊張感が和らぐ場面が度々ありました。
包括ケア病棟は高齢の患者さんがほとんど。仕事は順調でしたが、慢性期のケアが多いこともあり、新しい技術を学ぶ機会から遠のいてしまうという不安はありましたね。
また、勤務先は公立病院なので、看護師は公務員という立場で働いています。ですから、ずっとここで働いていこう、という安定志向の方が多かったんです。
周囲とは反対に、私は、この病院の中だけにいていいのか。看護師としてもっと違う働き方があるのではないかと思うようになり、転職を意識するようになりました」。
転職活動はどのように進めましたか?
学生時代から目標だった、地元以外で働くことを目指す
3年目に入り、転職を考え始めたAさん。次の職場は地元を離れた場所で探そうと決めたそうです。
「学生時代から、地元を離れて大きな都市で働くことが目標でした。けれど、家庭の事情などもあり実現できずにいました。次はその目標を叶えようと思いました。大都市の方が仕事の選択肢も情報も豊富ですから。」
いくつかの転職サイトに登録し、転職活動をスタートしたAさん。ナースコンシェルジュとはその時に出会いました。
「サイトに登録するとナースコンシェルジュのコンサルタントの方から電話があり、私の住む街まで来てくれて面談をすることになったんです。東京から会いに来てくれることに好感を持ったことを覚えています。
面談では看護師になったきっかけから、就職してからの経緯、転職先の希望条件などについて話しました。二時間以上、私の話をとても丁寧に聞いてくれました。
お話しした希望条件は東京を中心とした関東圏内であること。院内異動が可能なある程度大きな病院であることです。他にも給与や住環境など希望はありましたが、まずはこの2点を重視しました。」
1ヶ月ほどした5月頃、候補が提案され、Aさんは見学のため上京しました。
「今はコロナ禍ですから難しいですが、その時は二つの病院を見学することができました。当時勤めていた公立病院を退職するのは年度末の3月と決めていたので、すぐに転職を考えるタイミングではなかったのですが、将来の働き方を考える参考になりました。
ナースコンシェルジュのコンサルタントの方は、見学した病院を強く勧めることもなく、私の都合に合わせてくれました。私がナースコンシェルジュを転職活動のパートナーに選んだのはここに理由があります。
他に大手のサイトにも登録しましたが、電話やメールでの連絡が頻繁にありすぎて、急かされているような気がしました。正直なところうっとうしい、と感じてしまいましたね。
ナースコンシェルジュのコンサルタントの方は、私が求めることに対して動いてくれますし、もちろん相談にも乗ってくれます。けれど無理強いはしません。私のスケジュールを最優先に考え、連絡が必要ない時には放っておいてくれるようなゆとりを感じました。その時間で転職についてじっくり考えることができました」。
転職活動が本格的に動き出したのは年が明けた1月になってから。Aさんは自己応募の大学病院から内定を獲得しました。
「大学病院から内定は出ていたものの、ナースコンシェルジュにも相談していて、候補として提案してもらったのが神奈川県の病院です。面接に進んだところ、こちらの病院からも内定をもらうことができました。
応募にあたっては、履歴書の内容や、面接で想定される質問についてなどを事前に指導してもらい、準備できたので助かりましたね。
二つの内定をいただき、どちらに進もうか迷いました。
大学病院は最新の技術に触れられることが魅力でした。ただ附属看護学校があり、その出身者が多い職場かもしれません。以前経験した附属出身者中心の職場の雰囲気を思い出しました。さらに通勤に車が必要な立地だったこともあり辞退を決めました。
転職先に選んだのはナースコンシェルジュから提案してもらった病院です。院内の雰囲気も好感が持てましたし、立地もよく、住環境にも満足できました。配属も手術室とあらかじめわかっていたことも大きかったですね。4月に転職したため、一緒に入職した同期も多く、その仲間とは今でも親しくしています。
現在の職場とやりがい
高いレベルの技術に触れ、成長を実感する日々
目標だった大都市圏への転職を叶えたAさん。レベルの高い技術に触れることができる、厳しいけれどやりがいのある職場だったといいます。
「高い技術を求められる職場で、それが理由でやめていくひとも多かったですね。厳しい環境でしたが自分の成長につながっていると思います。
手術室で一年半ほど過ごした後、希望を出して泌尿器科へ異動しました。その後、病棟編成などで循環器内科へ移り、転職を考えた時期もありましたが、現在は古巣の泌尿器科病棟で勤務しています。
主な患者さんは泌尿器系のがんの術後の管理や腎臓結石、透析導入などの方です。
比較的短期の入院から長期の方まで様々な症例の方がいる病棟です。自分でできる処置も幅広くなり、成長を実感しています。
委員会や後輩の指導もやっています。担当しているのはラダー2年目の後輩です。教えるという場面ではどう伝えたら一番わかってもらえるのかを工夫しながら話します。経験や知識は上から目線の印象を与えてはうまく伝わらないと考えています。後輩の立場に立ち、同じ目線で話をすることが重要ですね」。
Aさんは患者さんとの信頼関係を築くことにやりがいを感じるといいます。
「最初は症状の話から、次第に雑談ができるように、ちょっとしたタイミングの積み重ねが信頼につながっていきます。もちろん急には難しいです。だんだんと関わりがうまくいくようになっていけたらいいと思いますね。
腎臓内科には定期的に入院される方もいるので、仲良くなった方も増えてきました。
病気を見ながら、その人自身も見ていけたらと思います。
時どき、楽しそうに仕事をしているね。と言われることがあります。
『いい時も悪い時も自分だよ』と以前上司から教えてもらいましたが、本当にそうだと思います。いい環境も悪い環境も自分が作りだしているんです。
スタッフにも、患者さんにもコミュニケーションをとりながらこれからもいい環境を作っていきたいですね。
現在の病院に勤務して5年が経ちました。成長も実感できましたし、そろそろ次のステップを考えてみようかなとも思っています。」
これから転職する方へアドバイス
よく見て、調べて。情報収集が成功を左右する
興味がある病院は、なるべく見学させてもらって、自分で現場を感じることが大切だと思います。
でも、今の状況ではなかなか難しいことかもしれません。それならば、ホームページや求人サイトなど、自分で調べられることはどんなことでも調べてみる姿勢が大切です。
そして、自分が本当に気になるところ、行ってみたいと思う病院が見つかったら臆せずに積極的に受けてみてほしいと思います。
それから、転職する前に、今勤務している病院でやるべきことはないのかを考えてみてください。
新卒で入職した場合、最初の三年は続けて、基礎を身につけて欲しいと思います。
どこまで技術を身につけることができたかで、次に転職した病院でできることが決まるからです。厳しいとは思いますが、プリセプターやリーダーを経験してから次へ行っても遅くはありません。
けれど、自分がいる環境が本当に嫌で、体に不調が出てしまうほどなら躊躇せずに転職してもいいと思います。自分を犠牲にしてまで働く必要はありません。
これは、私の場合ですが、病院の立地は勤務先を選ぶ条件として重要です。長く通う場所ですから、立地がモチベーションに繋がることは意外と多いと思います。
いろんな視点から見て、自分に合う勤務先を見つけて欲しいと思います。
地方から上京しての転職を成功させたAさん。
遠方への転職活動は事前の情報収集とスケジュールの段取りが、“より重要”となります。複数の面接を効率的な日程で調整する事は相手の都合もあり、なかなか難しいことです。
ただでさえ不慣れな土地へ出向いての転職活動は不安がつきものだと思います。肝心の面接に集中するためにも、そうした調整はコンサルタントに安心して任せられると良いですね。