#08
自分を大切にできる環境を第一条件に転職に成功。患者さんとじっくり向き合える理想の看護スタイルを実現
PROFILE
Mさん 30代 臨床経験14年
転職を考えたきっかけは?
スキルアップを望んで移った職場。しかし、激務と職場環境の悪さに身体が音を上げる
看護短大を卒業後、急性期の病院に入職したMさん。しかし程なくして体調に変調を来たしてしまいます。
「初めての仕事、そして一人暮らし。仕事もハードでしたから、身体への負担が大きかったです。そこで体調を優先した働き方ができる職場へ移りました。」
実家から通勤可能なリハビリ専門病院へ転職し、体に負担の少ない日勤で勤務を開始します。
「ストレスの少ない規則正しい生活を送っているうちに、体力も気力も回復してきました。もともと患者さん一人一人と向き合う看護をしたかったので、じっくり時間をかけて回復を目指すリハビリの現場は私に合っていたと思います。」
心身ともに健康を取り戻し、勤務に慣れてくると再びキャリアアップを考えるようになりました。そこで、周囲の応援を得て、急性期の大規模病院へ移ります。
「想像以上に忙しい職場でした。三交替制なのですが、休日明けの深夜0時過ぎからの勤務は、これは実質的には休日に休息できないシフトです。辛かったですね。」
さらに職場の環境も良くなく、若手を中心に退職者が絶えなかったといいます。
「ここにいても業務改善は無理だろうと将来への希望が持てず、精神的に追い詰められていました。そこで、いったんこの環境から離れようと退職しました。」
転職活動はどのように進めましたか?
理想の職場に出会うため、急がず、妥協せず、コンサルタントに本音でぶつかる
激務に加え、人間関係にも悩み、心身ともに疲弊していたその頃、看護師の仕事についての聞き取りインタビューに協力するという形で『ナースコンシェルジュ』のコンサルタントと出会います。
「当時はかなり参っていて心身ともにボロボロの状態。職場の愚痴や不満もお話したと思います。でもその方は、どんな話にも耳を傾けてくれました。
転職ありきの面談ではなかったのも、本音を打ち明けられた理由でしょうね。」
コンサルタントとの率直な対話を通じて、Mさんに看護の現場へ戻る意欲が湧いてきます。そして、そのまま『ナースコンシェルジュ』に依頼することに。
また、転職活動に当たり、他社の転職サイトにも登録をしていました。
「他社の担当者とやりとりをしていて、急かして紹介しようとする姿勢が見えたり、話は聞いてくれるけれど私のことを理解していないな、と感じることが度々あり、正直なところ、イヤでしたね」
『ナースコンシェルジュ』は転職への決意がしっかり固まってから、自分にはどんな職場が合うのか、時間をかけて考えてくれました。
職場の条件はもちろん、私がどんな看護をしたいのかをしっかり聞いて尊重してくれるんです。それがこの担当者に絞った理由でもあります」
はっきりNOと伝えるのが得意ではないというMさん。せっかくやってくれたのだから、と自分には合わないと分かっていても他社サイトのオファーを断れずに躊躇することがあったそうです。
「困っていると、担当コンサルタントが、断り方を教えてくれたり、メールの内容を考えてくれたり。なんでも相談しやすいので助かりましたね。」
転職先の決め手は何ですか?
アットホームな環境と、信頼できる師長との出会いで決意。手紙で熱意を伝え、転職成功へ
『ナースコンシェルジュ』の担当コンサルタントと時間をかけて話すうちに次の職場への条件が明確になってきます。
「体調を優先して無理なく働きたい、土日祝日は休みたい、都内へ実家から通いたいなど、希望はしっかり伝えました。遠慮はなかったですね。自分の人生ですから。」
そうして担当者から提案されたのは、二つの透析専門のクリニック。看護マニュアルが整っていて教育体制が充実しているところと、もう一方は優しい雰囲気に満ちた家族的な環境が特徴でした。
「短期的に見れば前者の方が技術の向上は見込めたかもしれませんが、その当時の私にとってはストレスなく働けることが重要でしたから、後者を第一希望にしました。
加えて、担当者に前もって聞いていたのですが、師長がとても魅力的な方でした。
母親として家庭も守りながら、ストレスの多い患者さんともしっかり向き合っていらっしゃいました。この出会いが決定打と言っていいほどです。」
理想の職場を見つけたMさんですが面接に臨むも失敗に終わってしまいます。
「理由は年齢が若い割に転職回数が多いことと、面接の際にスノボで骨折してしまっていたこと。先方にしてみれば、大丈夫かなこの子は? となりますよね。」
諦めきれないMさんに、担当コンサルタントからクリニックへダメ元で手紙を書いてみたら? と提案が。
「そこで働くにあたっての、自分の仕事への想いを手紙に書きました。すると時間をおかずに合格の知らせをいただけたんです!
手紙なんて自分では考えつきません」
現在の仕事と職場
信頼を得るために努力を続け、9年目でチーフリーダーに
透析は一生受け続けなければならない治療。長期間通う患者さんも多く、一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢が大切になります。
「ご高齢の方も多く、入職したばかりの頃は孫のように可愛がってくれました。けれど、長年の治療で抱えるストレスや病気の悩みなど、心のうちを打ち明けるのはベテランの看護師さんに対してだけ。
透析治療室はオープンな場所なので、上司から注意されたり指導されたりするのがよく見えます。それを見る患者さんは私に対して不安を感じて当然です。当時の私は頼りなかったでしょうね。」
体調が整ってくると、患者さんから信頼される存在になりたいと熱意が湧き、持ち前の上昇志向でスキルアップを目指します。
「勤務していた9年間で透析技術認定士、対話療法士、BLSの資格を取得し、チーフリーダーに昇格しました。
でも一番のやりがいは、患者さんから信頼され、任せてもらえる存在として認めてもらえたことですね。」
明るい表情で話してくれたMさんですが、チーフリーダーを打診された時には即座に断ったといいます。
「私は何事もゆっくり習得するタイプ。そのせいで師長や先輩から指導を受けたり、間に入って頂いたことも少なくありません。要領がいい後輩たちの手前もあり、私はチーフリーダーには相応しくないと感じたからです。」
しかし、師長をはじめ上司は成長をしっかりと見ていてくれたそうです。
「あなたが誰よりも努力しているのを院長も私も認めているから。と師長が言ってくれました。嬉しかったですね。」
これから転職を検討する方へのアドバイス
健康が一番大事。自分の人生だから、恐れずに、わがままでいい
「私の経験から言えることは、心身の健康を保つことが一番大事ということ。それがあってこそ目標に向かって頑張れるのです。
若いうちは急性期の現場で技術を身につけるべき。とよく言われますが、それだけが看護師としての生き方ではないです。誰にでも合う、合わないがありますから。
惑わされずに、自分に合う場所を見つけて長く勤められたらいいと思います。
転職サイトを使う方も多いと思いますが、自分に合う職場を見つけるためには自分の話をよく聞いてくれる担当者との出会いが大切です。
サイトに登録すると担当者からすぐに電話がかかってくることがあるのですが、私はイヤでした。まずメールでやりとりして、都合に合わせて連絡や提案をしてくれる、そんなやりとりができると信頼感が増すと思います。
担当者が自分に合わないと感じたら無理に付き合わなくていいはずです。自分の人生なのだから遠慮は要りませんよね。」
今年、第一子を出産し現在は看護の現場を離れているMさん。子育てが落ち着いたら、家庭を大切にしながら、キャリアを活かした仕事をしてみたいと将来について話してくれました。
在籍期間が短期で職場を移る方は、転職活動ではマイナスに働くことがあります。しかし、紹介先に経緯をしっかり共有することで理解が得られることが多いので、過度な心配は無用です。
まして、Mさんの場合は激務による体調不良という、本人の意思とはかけ離れた理由から。一人ひとりの患者さんとしっかり向き合いたい、という彼女の理想とする看護スタイルや、真面目な人柄などを合わせてお伝えすることで転職の成功につながりました。
ナースコンシェルジュでは経歴や資格などのスペックだけでなく、人柄などもご紹介できるよう、ご相談者との対話を大切にしています。どんなことでも遠慮せずに私たちにお話しください。